JR東海は東海道新幹線の4カ所の周波数変換変電所(FC)のうち2カ所の周波数変換装置について、最新のパワーエレクトロニクス技術を活用した静止形に入れ替えると発表した。

回転型周波数変換装置

静止型周波数変換装置

周波数変換変電所(FC)は、東海道新幹線の富士川以東の交流50Hz地域において、電力会社から受電した交流50Hzの電気を新幹線走行に必要な交流60Hzに変換するための設備。現在は大井・綱島・西相模・沼津の4カ所に設置されている。FCに設置される周波数変換装置には静止形のほか、モーターと発電機を組み合わせた回転形があり、大井FCと沼津FCに静止形各1台、綱島FCに静止形1台と回転形3台、西相模FCに回転形3台の計9台が置かれている。今回は綱島FCと西相模FCの回転形1台ずつを静止型に入れ替える。

静止形は回転による損失がないことからエネルギー効率に優れ、電力使用量も約2%削減できるという。定期点検時に機器を解体する必要もなくなるため、定期点検にともなう停止期間も短縮され、安定輸送の向上にもつながるとのこと。ただし、回転形と静止形の組み合わせによって一時的な大電流をバランスよく分担する必要があるため、すべてを静止型に入れ替えることはせず、回転形4台は引き続き使用する。

入替え工事は、綱島FCで今年度から2019年度にかけて、西相模FCで2015年度から2021年度にかけて行う予定。工事費は約134億円。