――役者のキャリアを積んできて、以前と変わったことはありますか?

「最近ふと思うのが、何であんなに暗かったのかなと。役のせいかもしれないけど、10代後半から20代前半が重くて、こんなに毎日辛いのはおかしい! と。昔は"知らないから強い"部分があったし、生意気だったし、作品や役に関してすごく考えてこだわってました。でも、『横道世之介』くらいからポジティブな役をもらうようになって、ポジティブなセリフを吐いていると毎日が楽しい。それに、今回の行定監督のように、段々と『お久しぶりです』という人が多くなってくると、成長した姿を見せたいという欲も出てきました」

――今年は役者10年目、11月で27歳になりますね。役者を続けていく上での目標とは?

「画面の中に普通にその役としていて、観る人にも別に何かが残ったとかじゃなく、そこにいたなと思われること。この作品で言ったら、純平が画面の中で人生を生きているみたいな、何の雑音も雑念もなく入っていけるような芝居ができればいいなと思う。下手なりに気持ちを込めてその場所にいることは守って来たので、まだ安定感はないけど、幅としては昔より出来るようになりたい」

――最後に。本作では、純平が故郷を守りたいと行動を起こしますが、ご自身の故郷への想いを聞かせてください。

「『出た人間だからこそ分かる』というシーンがあるんですが、本当に分かりますよ。出た人間じゃないと分からない。僕は熊本の良さがわかるし、出たからこそ『こうしたらもっと良いのにな』と思うこともあって。生まれてから18歳まで育ってきたから、熊本からもらった仕事は『何だこれは?』と思っても断らない。仕事でしか帰れてないけど、仕事で呼ばれるのはうれしいですね」

土曜オリジナルドラマ 連続ドラマW『平成猿蟹合戦図』は、11月15日(毎週土曜 22:00~)スタート(全6話)[第1話無料放送]。