東映とテレビ朝日が制作する『仮面ライダー』と『スーパー戦隊』シリーズ、この2大特撮作品の劇中に登場するキャラクターや変身アイテム、巨大ロボットなどの商品開発・販売を行っているバンダイ。ヒット商品を映像作品と連動させる意義、玩具の魅力を伝える映像作品作りにどのような苦労や努力が隠されているのか。

今回は、現在公開中の『仮面ライダー鎧武 サッカー大決戦!黄金の果実争奪杯(カップ)!』と『烈車戦隊トッキュウジャーTHE MOVIE ギャラクシーラインSOS』公開のタイミングで以下5名に集まってもらい、「仮面ライダー&スーパー戦隊の舞台裏」として、大ヒット玩具やヒーローの今を聞いた。前編では、『烈車戦隊トッキュウジャー』の「電車・列車」というキャラクターモチーフの成り立ちや、合体ロボ玩具へのこだわり、そして現在終盤のクライマックスに向けて怒涛の盛り上がりを見せる『仮面ライダー鎧武/ガイム』のヒーローコンセプト「戦国武将+フルーツ」の誕生秘話などについて、さまざまな舞台裏が語られた。

そして、今回の後編では、「仮面ライダー」と「スーパー戦隊」の相違点、映像と玩具が互いに与え合う影響、担当者それぞれがどのような考えを抱いているのか――子供たちへの想いを届ける東映とバンダイの、より深い部分に話が及んでいった。(仮面ライダー&スーパー戦隊の舞台裏 - 大ヒット玩具とヒーローの今、東映×バンダイ対談【前編】はこちらから)

・武部直美プロデューサー(『仮面ライダー鎧武/ガイム』プロデューサー)
・宇都宮孝明プロデューサー(『烈車戦隊トッキュウジャー』プロデューサー)
・中野拓氏(ボーイズトイ事業部・戦隊チーム リーダー)
・西澤清人氏(ボーイズトイ事業部・ライダーチーム リーダー)
・大田原智康氏(ボーイズトイ事業部・事業戦略チーム サブリーダー/プレミアムバンダイ 兼 WEB担当)

――常に、ターゲットである子どもたちが楽しんで遊ぶことのできる商品を開発しているバンダイさんですが、商品企画が決まるまでにどのような工程があるのでしょう。例えば、試作品に対してのリアクションを見るような、子供のモニターがいたりするのでしょうか。

西澤:もちろんいます。でも、特に誰というわけでもなく外部の方だったり、社員の子どもだったりする場合もあります。

武部:「モニターになってくれました」と写真を見せていただいたら、バンダイの担当者さんの息子さんだったりすることも(笑)。

左から武部直美プロデューサー(東映)、西澤清人氏(バンダイ)、大田原智康氏(バンダイ)、中野拓氏(バンダイ)、宇都宮孝明プロデューサー(東映)

西澤:子供が実際に商品試作を触って、遊んでもらうとわかることは非常に多いです。『仮面ライダーウィザード』の時も、『DXウィザードライバー』にタッチする指輪『ウィザードリング』のサイズが大きすぎるのではないか? という懸念点がありました。そもそも指輪として認識してくれるのかどうか……というのも。でも、子供たちにリングを渡したら、何の抵抗もなく指にはめていて。

宇都宮:指輪は女の子の遊びには使うけど、男の子にはどうですかねえという声もあったと聞いています。

西澤:『DX戦極ドライバー』も同じなんです。子供たちに渡したら、何も説明していないのに、すぐ「ロックシード」をベルトのフックにかけようと。

武部:「ロックシード」単品を鞄につけたい、なんて声もありました。放送が始まったら、実際にカバンのアクセサリーとして使っているお姉さんも見かけたり。

宇都宮:アクセサリーにしてはちょっとデカいけど、それがまたいいのかな。

武部:ドライバーの刀にしても、音声を出すために一回、二回、三回と連続アクションで斬っていくのは、私としてはパターンが多すぎると思ったりもしましたが、結果としては問題なかったのかも。