俳優・佐々木蔵之介と女優・永作博美が、映画『夫婦フーフー日記』(2015年夏公開)で10年ぶりに共演し、W主演を務めることが4日、明らかになった。

映画『夫婦フーフー日記』で10年ぶりに共演した佐々木蔵之介(左)と永作博美

本作は、闘病ブログから生まれた『がんフーフー日記』(小学館)を原作に、『婚前特急』(2011年)や『わたしのハワイの歩きかた』(2014年)などで知られる前田弘二監督がメガホンをとった作品。"ダンナ"ことライター・清水浩司氏が、長年友人だった書店員の"ヨメ"と出会って17年目にして結婚し、1カ月後に妊娠、その5カ月後にはヨメに悪性腫瘍が判明するなど怒涛の日々をつづったブログは、2011年に書籍化、2012年3月にNHK BSプレミアムでドラマ化された。多方面で話題となった原作を映画化するにあたり、「死んだはずのヨメと残されたダンナが夫婦の軌跡を振り返る」という大胆な設定を追加。ブログには書かれなかった夫婦の思い、家族の愛を浮かび上がらせる。

佐々木と永作は、2004年の日本テレビ系ドラマ『ラストプレゼント 娘と生きる最後の夏』以来、10年ぶりに共演を果たした。佐々木は、「この夫婦って、実はすごく絆があるけれど、ちょっとドライで、ちょっと達観しているように見えるんです」と読み解き、「そんな感じを見せられたのは、永作さんだからこそですね」と称賛。「ふり返ってみれば大変だったと思うけれど、もーれつに生きた2人が描かれているにも関わらず、それでもけっこう前向きに楽しさを感じる映画になっている」と分析し、「絶望も苦しみも悲しみもあるけど、希望に満ちている。そんな夫婦と家族の話、ぜひ劇場で見てほしいです」と作品に込めた思いを語った。

一方の永作は、「佐々木さんは変わらず、男らしい、丁寧なお芝居をされていて安心感がありました。ボケやツッコミ等のシーンでは大変勉強になり、感謝です。笑」とこちらも佐々木に敬意を示し、「初めて読ませてもらった時点でとても新鮮な作品に感じました。是非やらせてほしいと。しかし始まってみたらやはり、一筋縄にはゆかず毎日のように難易度の高さを感じつつも、ライトな痛快観も忘れるわけにはゆかず、結構悩み、走り抜いた感じです。でも、きっと今までに無い新しい作品になったと感じています」と撮影を振り返っていた。

原作者の清水浩司氏は、「お2方とも非常に実力のある、魅力的な俳優さん。早く周りの人に言いたかったですけど、モデルになってる者としては申し訳ないような気持ちになりました(笑)」と語り、「特に永作さんに関しては、ヨメが大好きな女優さんだったので、天国で『どうよ!』と高笑いしている姿が想像できて、少し腹立たしい気持ちにもなりました(笑)」とコメント。結婚式のシーンについては、「さすがにこみ上げてくるものはありました」と心境を伝え、「美しくて、痛ましくて、永作さんの女優魂を感じると同時に、当時の自分の心境が鮮烈によみがえってきました。このシーンを見ることができて良かったです」と感謝の言葉を寄せている。

(C)2015川崎フーフー・小学館 / 「夫婦フーフー日記」製作委員会