小沢剛《地蔵建立 上九一色村、1995年8月10日》1995年

東京都現代美術館は6月7日~8月31日、開館20周年記念 MOTコレクション特別企画「クロニクル 1995-」を開催する。

社会的・文化的節目「1995年」を、現代美術の分野において検証・展観

同館は、2015年3月に開館20周年を迎える。2014年度のMOTコレクションは、これを記念して3期にわたって特別企画を実施、同展はその第1弾となる。

同展は、同館が開館した年「1995年」に焦点を当てる展覧会。バブル崩壊後の社会不安が蔓延するなか、阪神淡路大震災、オウム真理教事件が起き、戦後50年、インターネット元年など、日本の社会的・文化的節目としてこれまでも数々の論考により言及されてきた「1995年」について、現代美術の分野において検証・展観する初めての機会となる。

八谷和彦《見ることは信じること》1996年、作家蔵、撮影:大島邦夫

展示は2部構成となる。第1部では、この年の前後において、現代美術の分野でどのような表現が生まれていたかを、数々のキーワードとともに辿る。第2部では、1995年以降に活動を開始した作家たちの表現を、同館の若手作家コレクションを通して概観。1995年を起点とする歴史的な俯瞰図によって、同館の20年の歩みをたどるとともに、現在進行形のシーンに対する視座を提示する。

展示予定作家は、ホンマタカシ、都築響一、会田誠、ヤノベケンジ、小沢剛、O JUN、小林孝亘、大竹伸朗、奈良美智、落合多武、丸山直文、島袋道浩、髙柳恵里、八谷和彦、宮島達男、ほか。

ホンマタカシ《「東京郊外」幕張ベイタウン、千葉県美浜区》1995-1998年

また、「1995年」を多角的に検証するイベントも開催。6月14日開催の第1弾、MOT講座 シンポジウム「1995年に見えてきたもの」では、1995年をめぐる社会的・文化的状況と、表現の分野で起こっていたことの影響関係や同期性について、異なる立場からこの問題に言及してきた佐々木敦、椹木野衣、速水健朗、南雄介の各氏が討議する。

7月5日の第2弾、「1995年:戦争画 RETURNS、相談芸術大学、メガ日記、そして…」は、この年に重要な活動を展開した会田誠、小沢剛、八谷和彦の各氏の鼎談により、作家の視点から「1995年」を振り返るものとなる。

展覧会会期は、6月7日~8月31日。開催時間は、10時~18時(7月18日、25日、8月1日、8日、15日、22日、29日は21時まで)。入場は閉館の30分前まで。会場は、東京都現代美術館 常設展示室 1階、3階(東京都江東区三好4-1-1)。休館日は月曜日(7月21日は開館)、7月22日。

観覧料は、一般500円、大学・専門学校生400円、65歳以上・高校生250円、中学生以下無料。なお、企画展のチケットで本展も観覧できる。