1978年に漫画誌『週刊少年サンデー』(小学館刊)で連載がスタートし、その後TVアニメ、映画化も果たした高橋留美子作品『うる星やつら』。個性的かつ魅力的なキャラクターが多数登場する本作から、作品の枠を超えて今もなお世界中で愛される「ラムちゃん」が、コトブキヤのフィギュアシリーズ「ARTFX J」で立体化され、2014年9月に発売される。
『ARTFX J ラムちゃん』は、高橋留美子氏の完全監修のもと、コトブキヤを代表する原型師・白髭創氏によって最新のフィギュア表現を詰め込んで立体化。健康的な美しいプロポーションや、腰のひねり、指先の細やかな表情も美しく、キャラクター性を損なわない純粋でかわいらしい笑顔も珠玉の一品に仕上がっているという。
今回は、このフィギュア化を記念して、アニメ『うる星やつら』でラム役を演じた声優の平野文に、漫画の連載から35年以上、アニメも30年以上が経過し、今もなお世界中から愛される『うる星やつら』の魅力や当時のエピソード、そして実際の『ARTFX J ラムちゃん』を手にした感想を伺った。
平野文 |
――まずは、今年9月にラムちゃんのフィギュアがコトブキヤさんから発売されますが、サンプルを見てのご感想をぜひお願いします。
以前にも壽屋さんからは、阪神タイガースの法被を着て、テンちゃんと一緒のラムちゃんが発売されていましたよね! それもかわいかったのですが、今回のラムちゃんは王道だなと。ポーズは王道ですけど、髪の毛のうねりや指先の角度などを見ると、デザイナーさんの思いの丈が込められていますよね。
――今回のラムちゃんは、彼女を象徴する虎縞模様のビキニ姿ですね。
そうね、やっぱりこれだなって。アイスクリームもバニラに始まりバニラに終わるって言うじゃない(笑)。ポーズや台座の星の装飾などから、オープニングの映像とリンクしていると思います。
――『うる星やつら』は、漫画の連載から35年以上、アニメも30年以上が経過し、今もなお世界中から愛されていますが、人気がここまで長く続いている理由は何でしょうか。
ボーイ・ミーツ・ガールという普遍的なテーマと、女の子から見てもラムちゃんというキャラクターが、かわいくて、色っぽくて。それでいて、自分ではその魅力に全然気がついていない、天真爛漫なところでしょうね。
――4年間以上のTVアニメ放送、そしてアニメーション映画を経て、平野さんの印象に残っているエピソードなどありましたら、ぜひお願いします。
人気投票などでは、「ときめきの聖夜」が人気があると伺ったことがあるのですが、私は成仏できなかった女の子とあたるが、真夏に真冬のデートをすることになるのだけど、セーターを着て汗だくになりながらも、彼女が成仏するまでそのデートに付き合ってあげる、というお話が好き。(※第180話「ダーリンの優しさが好きだっちゃ」)
最後に、ラムが「ダーリンよかったっちゃね。うちも幽霊になろうかな?」って言って、それに対して「なにいってんだば~か」ってあたるが応えるやつ。あのふたりのやりとりがとってもいいの。ラムちゃんの表情もいいし、あたるの台詞は、ラムへの愛情の深さが思わず出てしまったというひとことで。あの海辺のラストシーンは大好き。