中国人は春、プレミアムなアレを目指して来日

1月31日の春節(旧正月)時期の中国人の旅行ラッシュの波が過ぎた後、3月末から4月初めにかけて、今年第2の波が訪れている。日本のお彼岸にあたる清明節が4月初めにあることから、連休に合わせて中国人が旅行に出かけるのだ。

「春に世界中で最も行く価値のあるところ」

清明節連休で中国人に憧れの行き先は日本。その理由は、言わずもがな「桜」である。中国版ツイッター「ウェイボー」でも、この時期、多くの人が日本での花見あこがれツイートをしている。

「一生のうちに必ず見たいもの、日本の桜、スイスの雪、そしてフランスのラベンダー」
「あぁ、まだ今年も日本に桜を見に行く夢が達成できていない……」
「春に世界中で最も行く価値のあるところ=日本。美しい桜が見られるから」

吉林省のある県(日本の市にあたる行政区分)の公安局のウェイボーアカウントまでも、「桜の時期に日本を訪れるのはすばらしい。ただ、安いツアーにだまされることのないように」と注意喚起をするほど、中国で日本の桜は注目されているのだ。

何カ月も前から組まれる花見ツアー

中国では日本で見られるような桜がほとんどないので、満開の桜の風景に憧れを抱く人は多い。その開花期間が1週間ほどと短いことで、更に桜の「プレミアム」感が増す。「是非一度、日本の桜を見たい」というのが、旅行先に日本を選ぶ中国人の大きな理由のひとつとなっている。

その需要を見込んで中国の旅行社は、例年の桜開花時期にもとづいて今年の満開時期を予想し、何カ月も前から「花見ツアー」を組むほど。また、同時期に個人旅行で日本に来る人も多い。しかし、桜に憧れる中国の人々が何カ月も前から桜の開花時期を予想し、旅行の準備を重ねたにも関わらず、今年は気温が低い日が続いており、例年より桜の開花時期が遅れている。

このため、「福岡は満開だよ」「日曜日に京都に行くけど見られるかな」「『哲学の道』の桜は咲き始めていた」「東京でこれだけ咲いていればもう十分。見たい人は早く来た方がいいよ!」などなど、中国人ネットユーザーはウェイボー上で熱心に開花情報の情報交換を行っている。

開花は年によって前後するが、南北に長い日本列島なら、どこかでは桜が咲いている。ガッツのある人は、「東京滞在予定だけど、奈良に行けば桜が見られるかな」などと、行き先変更までも考えるほど、お花見にかける中国人観光客の気合いはものすごいものがあるようだ。

※本文と写真は関係ありません