――『鎧武』に続く16作目の平成ライダーが現れたとき、昭和と平成の均衡が崩れるということですか。

それはつまり"仮面ライダーといえば平成ライダー"というイメージになることなんですね。そのうち、平成ライダー、昭和ライダーという言葉も消滅していくだろうと思うんです。仮面ライダーシリーズの初期に、昭和ライダーと呼ばれた作品群があった……有史以前のできごとのように語られるようになるんじゃないか。そうなると、昭和ライダーと平成ライダーの数が並んでいるという、今しかない最初で最後のチャンスを活かして「昭和VS平成」という仕掛けを打ち出していこうとしたんです。

――昭和ライダー、平成ライダーの区分けというのは、2000年の『仮面ライダークウガ』の制作が大きなカギを握っていますよね。第1作『仮面ライダー』から『仮面ライダーBLACK RX』まで東映、毎日放送の制作だったのに対し、『クウガ』以降は東映、ADK、テレビ朝日になるという、制作体制の変化もありますが。しかし、オリジナルビデオ映画『真・仮面ライダー/序章(プロローグ)』の仮面ライダーシンや、映画のみのライダーであるZOとJは時代的に「平成」生まれのはず。彼らを昭和、平成のどちらに入れようか、検討されたりしませんでしたか。

『RX』放送中に年号が変わり、平成になりましたからね(笑)。なぜシン、ZO、Jが平成ライダーじゃないか、と言われれば、彼らの活躍したときにはまだ『平成ライダー』という言葉そのものがなかったからです。そもそも平成ライダー、昭和ライダーという呼び方は作り手が定めたのではなく、ファンサイドで自然発生的にできあがったものなんですね。先に「平成ガメラ」「平成ゴジラ」というような"リメイクされた往年のヒーロー"がいて、その呼び方を『クウガ』に当てはめたのが平成ライダーなんです。

――『クウガ』が始まったとき、これは新しい仮面ライダーシリーズがまた続いていくのかな、という期待をしたのですが……。

実際は、シリーズが続くなんて思ってもいなかったんです。『クウガ』を始めたときは、仮面ライダーはこれ一作で終わりかもしれない、という状態でした。極端な話『クウガ』が"最後の仮面ライダー"となり、全世界を平和にしたので、次に続く作品などない、という考えもありました。ただ『クウガ』が好評だったので、もう一作くらいは、ということで『アギト』をやったんですが、毎年、仮面ライダーをシリーズとして作るなんて発想はありませんでした。

だから、この流れを絶つわけにはいかないと思い、『アギト』や『龍騎』は、必死で作っていましたよ。4作目の『555』の頃に、ようやく"仮面ライダー"というものを意識したんです。今でこそ平成ライダーは"シリーズ"として年表に各作品のタイトルが収まっていますが、『ディケイド』をやっているときまでは、もう紆余曲折の連続だったんですよ。

――今回の映画の大きな目玉としては、昭和ライダー、平成ライダーともに、かつてのヒーローを演じた俳優さんが再登場されたことですね。特に、仮面ライダー1号/本郷猛の藤岡弘、さんが久々に「ライダー変身」のポーズを披露したことでも話題になっています。また仮面ライダーX/神敬介の速水亮さん、仮面ライダーZX/村雨良の菅田俊さん、平成側では仮面ライダー555(ファイズ)/乾巧の半田健人さんなど、懐かしい顔ぶれが揃いました。こちらの方たちをキャスティングされた意図などはありますか。

ライダーの元祖たる1号、5人目のX、10人目のZXと、それぞれ節目の作品で活躍された俳優さんをお声がけさせていただきました。しかも、ただ出てくるだけではなく、皆それぞれドラマ的な見せ場を担っていただいています。