3月29日から、東映製作の特撮映画『平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊』が全国の劇場で公開される。タイトルのとおり、本作では、昭和46(1971)年の第一作『仮面ライダー』で初登場した仮面ライダー1号から、平成25(2013)年より放送が始まった最新作『仮面ライダー鎧武/ガイム』までの各主役ライダーが集結する上に、仮面ライダー1号から仮面ライダーJ(15代目)までの"昭和ライダー"15人と、仮面ライダークウガから鎧武までの"平成ライダー"15人が真っ向からぶつかりあい、雌雄を決するというのが大きな話題となっている。

3月29日公開『平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊』より

さらに注目を集めているのは、昭和ライダーと平成ライダー、どちらが勝利するかを全国のファンから集めた投票によって決める、という異例の試み。つまりは仮面ライダーファンが昭和派と平成派に分かれ、どちらの"仮面ライダー愛"が強いか、はっきりとして結果が出るというわけだ。

このような刺激的なイベントを仕掛けたのは、東映テレビ部プロデューサーとして『仮面ライダーアギト』や『仮面ライダー龍騎』『仮面ライダー555』『仮面ライダーディケイド』など、平成ライダーの各作品を手がけてきた白倉伸一郎氏(現・東映株式会社取締役企画製作部長)。いわば「平成ライダーの担い手」と呼ぶべき白倉氏だが、少年時代は仮面ライダー1号や仮面ライダーV3の活躍に声援を送った"かつての子供たち"の一人だった。

つまり昭和、平成どちらのライダーにも強い愛情と思い入れを持つ人物である。劇場前に設置された投票箱はすでに回収され、現在開票中。そして公式サイトで行われたインターネット投票も、25日夜で締め切った。勝つのは昭和か平成か。その結果は、3月29日の公開初日で明らかにされる。今回は白倉氏に映画の見どころや、昭和ライダーと平成ライダーそれぞれに対する熱き思いについて話を聞いた。

白倉伸一郎
1990年に東映入社。91年に『鳥人戦隊ジェットマン』よりプロデューサー補として参加し、以降『仮面ライダーアギト』『仮面ライダー電王』『仮面ライダーディケイド』などのチーフプロデューサーを担当する。現在は東映株式会社取締役企画製作部長、東映テレビ・プロダクション代表取締役社長
撮影:荒金大介(Sketch)

――いよいよ公開の日が迫ってまいりました、映画『仮面ライダー大戦』ですが、そもそも「昭和ライダーと平成ライダーが激突する」という、本作品のコンセプトはどこから発想されたのですか?

当初は全然違う内容を考えていたんです。2012年の『仮面ライダー×スーパー戦隊 スーパーヒーロー大戦』、そして2013年の『仮面ライダー×スーパー戦隊×宇宙刑事 スーパーヒーロー大戦Z』と、近年の"春"映画は東映のスーパーヒーローを総登場させる映画で行っていましたが、3回目ということで原点に戻り、仮面ライダーとスーパー戦隊をどのように共演させるかというアイデアを絞っていこうとしていました。そんな会議の席で、今『仮面ライダー鎧武』を担当している武部(直美/プロデューサー)が「鎧武って、平成ライダー15作目ですよね。そうしたら、昭和ライダー15人と平成ライダー15人、数が並びますね」って、ポロッと言ったんです。

――なるほど、武部さんのその言葉を聞いて、ピンときたわけですね。

ふーん……と聞き流しかけて、おい、ちょっと待て! それ早く言えよ~!!って(笑)。仮面ライダーのような長期シリーズだと、何十周年、何作目といったアニバーサリー的な要素が重要だと思うんです。特に仮面ライダーは40年以上もの歴史を持っている。初期の1号、2号、V3を観ていたファンの人と、最近の『鎧武』や『ウィザード』を観ているファンとでは、仮面ライダー観と言いますか、ライダーに対するイメージが全然違うんですよ。今年、昭和ライダーと平成ライダーの数が15対15で並ぶというのは、実はかなりのターニングポイントなのではないか、と考えたんです。『鎧武』以降も仮面ライダーシリーズが続いていくとなれば、昭和ライダーよりも平成ライダーが数で凌駕してしまうわけですから。