「ラグジュアリー(高級)商品」の消費で新たな動き--「シェアハウス」

マンション販売戸数や全国の百貨店売上高など、消費に関するデータを見ると景気回復は手堅く進んでいるように感じられる。一方で、今年4月、来年10月には消費増税が予定されていることから、今のうちに手の出しにくい高価な商品を購入しておきたい、と考える人も増えているようだ。 

こうした中、ラグジュアリー(高級)商品の消費で新たな動きが起こっている。不動産市場では、シェアハウスやリノベーション物件を活用する動きが広がっている。シェアハウスは経済的環境の厳しい人が利用するもの、リノベーション物件は中古住宅とのイメージがあるかもしれないが、読売広告社都市生活研究所の榎本元(はじめ)所長は、必ずしもそうとはいえないと指摘する。

「シェアハウス入居者には、多くの人と知り合いたい、ビジネスや起業につなげたいという意識を持つ人もおり、高学歴の人がメリットを感じて入居するケースも見受けられる。リノベーションでは六本木にあるマンションを活用し『超高級リノベーション』ともいえる物件を分譲している」

読売広告社都市生活研究所の榎本元(はじめ)所長

また、シェアハウスにはソーシャルメディアの普及による「情報をシェアし、生活者が独自のコミュニティを創る動き」(榎本氏)も背景にあり、リノベーションでは国内の不動産会社だけでなく外資も既存物件を再活用する取り組みが続く。

車では「低燃費」カギ、「レクサスCT」はほかのオーナーと自分の燃費の比較可能

一方、不動産に次いで高価な商品と位置づけられるのがクルマ。高級車のカテゴリーでは「レクサスCT」の国内販売台数が1万台を超え(2012年)、これはレクサスブランドとしてトップの数字だ。

レクサスCTはハイブリッドカーで、燃費は30.4km/L(「version L」「F SPORT」「version C」は26.6km/L、どちらもJC08モード)。単に低燃費なだけでなく、「レクサスオーナーズサイト」とリンクさせることでほかのオーナーと自分の燃費を比較できる。さらに、サイト内では燃費がランキング化され、それに応じて獲得したポイントを日本ユネスコ協会連盟「プロジェクト未来遺産」へ寄付する形で社会に還元される仕組みだ。

また、レクサスというと比較的大きなセダンやスポーツタイプを思い浮かべる人もいるかもしれない。だが、レクサスCTは排気量が約1800ccのハッチバックで、夫婦がともにクルマを利用する、特に子どもを連れて女性が運転する機会が多い家庭でも、取り回ししやすいサイズとなっている。

こうした点からレクサスCTは低燃費という「エコ」、さらに自然・文化遺産保護のためにポイントを、家族とクルマ自体を「シェア」できるラグジュアリー商品といえそうだ。

高価な商品を購入することで自分が満足するだけでなく、家族や仲間とシェアし、エコにもつながる――これが2014年のトレンドになっていくのかもしれない。