外国暮らしが長くなると、その国の文化や習慣にだんだん慣れてくるもの。それが独特であればあるほど、なじんだ自分を感じた時に深い感慨を覚えるでしょう。日本にも独特な文化や習慣がありますが、日本に住む外国人たちもそのような気持ちにあることがあるのでしょうか。日本在住の20人の外国人に、どんな時に「日本通になったなぁ」と感じるか聞いてみました。

■生魚(寿司や刺身)を食べるようになりました(ギリシャ/30代前半/男性)

■漫才の面白みが分かる、お刺身を食べられる、温泉に入られるなど(チュニジア/40代後半/男性)

■お寿司が食べられるようになった時です(シリア/30代前半/男性)

■かなりの種類の日本食を食べられるようになった、テレビのニュースが分かるようになった、電車に乗るのが簡単になった……など(オランダ/30代前半/男性)

■納豆も食べられますし、関西弁と標準語も話し分けられますし、モズクやメカブなど海藻類をよく食べることも(ドイツ/30代後半/男性)

■日本で売られてる輸入牛はあまりおいしくないので、最近は和牛しか食べない。納豆も大嫌いだったのに、今は大好きで2日に1回くらい食べる。あと、リアクションも日本語が出てくる。うそーとか、間違えた!とか(マリ/30代後半/男性)

■最初は分からなかったおにぎりやそばのおいしさが分かってきた(韓国/30代後半/女性)

世界的ブームともいえる和食ですが、生魚や納豆はハードルが高いと思う人も多いもよう。和牛は日本でも海外でも高級食材ですので、和牛しか食べられなくなってしまったとはなかなか家計が大変そうです。また、そばのおいしさが分かるというのはかなりの“ツウ”なイメージです。

■山ほどあります。特に日本語をしゃべる時、擬声語やジェスチャーを使う時、別れる時、何度もお辞儀する時など(イラン/20代前半/女性)

■お辞儀をする時(アメリカ/30代後半/男性)

日本文化の代表格、お辞儀。これがタイミングよく自然にできるようになると、すっかり日本通という感じがしますね。

■同じフィリピン人と話をしても、日本の言葉が自然に出てくる場合(フィリピン/40代前半/女性)

通なだけでなく、もはや日本人化している人も……。

■スプーンとフォークより箸の方が便利だな~と感じてきた時(タイ/30代後半/女性)

タイでも麺類を食べる時は箸を使いますが、ご飯におかず、という時はスプーンとフォークでいただきます。日本のご飯はタイの米に比べ水分が多くて、箸でも食べやすいのも理由のひとつかもしれません。

■清潔感の話をしていて、同感している時です(インドネシア/40代前半/女性)

■外国で出会った日本人と話が合う時(ペルー/40代前半/女性)

■日本人と居酒屋で杯を交わした時(トルコ/20代後半/男性)

■桜が咲いた時、本当に感動しました(ブラジル/30代後半/男性)

日本人の衛生観念は世界でもトップクラスと言われていますし、桜は多くの日本人が咲くのを心待ちにしている「日本の花」です。長く暮らしていればそうした感覚も近くなってくるのですね。感覚が似てくると親近感がわきますから、日本人との付き合いもより親密になっていきそうです。

多くの人が食文化を受け入れることができた時に、「日本通になったなぁ」と感じるということが分かりました。海外旅行でしょうゆやインスタント味噌汁を必ず持っていく、という人がいること考えると、食べ物に慣れるということは意外と難しいことなのかもしれません。