『九十九(つくも)』でアカデミー賞短編アニメーション賞にノミネートを果たした森田修平監督

第86回アカデミー賞の各賞候補が現地時間16日に米ロサンゼルスで発表され、OVA『FREEDOM』などで知られる森田修平監督の『九十九(つくも)』が短編アニメーション賞にノミネートを果たした。

『九十九』は、2013年7月に公開されたオムニバス映画『SHORTPEACE(ショートピース )』に収録された14分の短編アニメーション(英語タイトルは『POSSESSIONS』)で、「も のに魂が宿る」というテーマにモノノケと人間の男の交流を描いた、日本画的な表現 と3DCGを融合させた斬新な映像美を表現した作品。『KAKURENBO』(2005年)やOVA『FREEDOM』(2006~2008年)、OVA『コイ☆セント』(2010年)を手がけた森田修平氏が監督、脚本を担当している。

「2012年アヌシー国際アニメーション映画」短編部門ノミネートと「第16回文化庁メディア芸術祭」アニメーション部門推薦作品にも選出された本作だが、今回の米国アカデミー賞短編アニメーション賞へのノミネートは、2008年の加藤久仁生監督作品『つみきのいえ』に続く、日本人監督作品としては5年ぶりのノミネートとなる。

『九十九(つくも)』より

短編アニメーション賞ノミネートにあたり森田監督は、「『九十九』は"自分らしい作品とは何か?"と、ここ数年迷い考えた末、やっと素直に描けたと実感した作品です。日本 では、この様なショートの作品はなかなか陽の目を見ることが難しく、制作も困難な状況の中、こうしてノミネートされ注目を浴びることができ、一人でも多くの人に見てもらえる事をうれしく思います」とコメントを寄せている。

『九十九』は、18世紀が舞台。嵐の夜に深い山中で道に迷った男が、小さな祠を見つけた所から物語が始まる。そこで男は、捨てられた傘や着てもらえなくなった着物といったモノノケたちと出会い、怨念を秘めた古い道具たちを丁寧に修理して彼らを慰めていくといストーリー。なお、本作『九十九』を含む映画『SHORTPEACE』のBlu-ray&DVDが、1月16日にバンダイビジュアルから発売中。価格はBlu-rayスペシャルエディションが1万290円、 Blu-ray通常版が6,090円、DVD通常版が5,040円となる。

「第86回米国アカデミー賞」の授賞式は、カルフォルニア州ハリウッドのドルビー・シアター(旧コダック・シアター)において、現地時間3月2日(日本時間3日月曜日午前)に行わ れる。

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