つくばエクスプレスを運営する首都圏新都市鉄道はこのほど、列車ブレーキ時に発生する「回生電力」の余剰分を電力会社に売電する事業(電気供給事業)を開始した。

つくばエクスプレスが、列車ブレーキ時に発生する「回生電力」の余剰分を電力会社に売電する

つくばエクスプレスの列車は、加速時には電気でモーターを回して推進力を得ているが、ブレーキをかける際にはモーターから電気(回生電力)が発生する。回生電力は従来から、走行中の他の列車、駅の照明、エレベーター・エスカレーター、冷暖房などの動力・電源として活用されていたが、なお余剰が発生するため、電力会社への売電を決めたという。

売電の際に経由するつくばエクスプレスの変電所では、鉄道用としては初めてとなるパルス幅変調方式の電力変換装置(PMW変換器)を採用しており、これによって回生電力を電圧や周波数が一定している質の良い電力に変換することができるとのこと。同社では初年度の売電量を、一般家庭の年間電気使用量の600世帯分に相当する200万kWh程度と見込んでおり、今後さらに拡大させる予定としている。