――続く「僕の言葉で」は少し曲調が変わってきます

LiSA「ここでちょっと立ち直ろうとするんですよ。疑った気持ちとか言い過ぎたところに対して、今度はちゃんと謝ろうと思う。でも、そばにいすぎて、なかなか"こめんね"って言えない。そんな気持ちを歌っている曲です」

――曲を聴いたとき、ここで恋も終わってしまったのかと思いました

LiSA「まだです。まだ希望を持っている状態ですから(笑)。この曲の詞を書くときに一番最初にでてきたワードは『踏み込んだ足をたくましく鳴らせたら』だったんですけど、そこから何を伝えたいかって考えたとき、一歩踏み出すことによって何かが変わるかもしれないという希望でした。踏み出したくても踏み出せない、"ごめんね"っていう言葉を素直に言えない心を書こうと思いました」

――はたして素直に"ごめんね"って言えたのでしょうか?

LiSA「どうなんでしょう(笑)。あと、『優しく「帰って来たの?」きっとあなたは そうふるまうでしょ?』ってワードもすごく好きで、これはもう相手には優しさしかないわけじゃないですか。今までから優しくされていないとそう思うことはないわけですから、たった一言で相手との関係性がすべてわかる言葉が出せたなって思いました」

――ちょっと落ち気味のところで、シングル曲の「best day, best way」が入ります

LiSA「景色の中に、観覧車があったりジェットコースターがあったりするように、"倦怠期"といえども、やはり波ってあるじゃないですか。すごくハッピーなとき、すごく落ち込むとき、でも持ち直そうとするとき。ここでは、ちょうど持ち直そうとして上がっているところです」

――そして上がったところで「ヒトリワラッテ」

LiSA「誰にも自分の感情がわかってもらえない。自分の気持ちを言いたいんだけど言えなくて、だけど誰かにわかってほしくて……そんな気持ちをwowakaさんにお伝えして、ピアノメインで作ってもらった曲です。最初、歌詞は自分で書こうと思っていたんですけど、今ならwowakaさんの詞を自分の言葉で歌えるんじゃないかなと思って、今回は歌詞もお願いしました」

――最初に曲を聴いたときの感想はいかがでしたか?

LiSA「流石だなって思いました。wowakaさんは"現実逃避P"っていうぐらいですから、孤独を描くのがすごく上手なんですよ。今回は自分の言葉じゃないので、そんなに強がる必要もなく、wowakaさんの詞に乗っかって、本当の気持ちを素直に歌えるんじゃないかなって思いました」

――上がったと思ったら、いきなり下がった感じですが

LiSA「頑張ろうと思ったんです。でもダメだった……。でも最後の『見えた気が、したよ』っていうあたりは、まだ希望が残っているんです」

――「見えた」といった後の「見えた気が、したよ。」ですから……。そんな雰囲気の中、続く「say my nameの片想い」ではまた一気に上がる感じでしょうか?

LiSA「実はこれ、回想シーンなんですよ、『LOVER“S”MiLE』の頃の。ちょうど2人が付き合う頃の話です。『ヒトリワラッテ』の『見えた気が、したよ』というところで、過去は良かったなって振り返っているわけで、だからこそ、この曲の最後が『ここから始まる LOVER“S”MiLE』になっているんです」

――なるほど

LiSA「過去はとても美しくみえるものじゃないですか。付き合う前のときめいている状態ということで、『LOVER“S”MiLE』よりも前を回想している曲です」

――そして「うそつきの涙」ですが、これはけっこうキテますよね……

LiSA「キテますね(笑)。実際に『別れましょう』となったかどうかは別にして、気持ち的には完全にすれ違っている状態です。気持ちがすれ違ったがために言えない言葉がある。たぶん今は違う子のことを考えているんだろうなって、そう思ったら何も言えなくなるじゃないですか。とにかく、状況は最悪の急降下地点ですね(笑)」

――この曲を歌うときはどんな気持ちを込めていますか?

LiSA「自分の実体験を歌っているわけではないですが、何となくわかる、理解できるという感覚。たとえば『嘘のない気持ちに嘘を付いてる』とか、あなたはすごく本当のことを言ってくれているけど、自分は何か隠し事をしている……そんな、なんとなく『わかる、わかる』みたいな感情がたくさんあって、歌うときにものすごく感情が乗った気がします。『勇気とか素直さが この時間を壊すだけなら そんなもの無くてもいい』とか、その状況だけじゃなく、その時の思いにすごく共感する部分がたくさんある曲ですね」