映画『許されざる者』(9月13日公開)が現地時間の6日、イタリアで開催中の第70回ベネチア国際映画祭の特別招待作品としてプレミア上映され、現地入りした俳優の柳楽優弥が万感の思いを語った。一時は俳優業から遠ざかった柳楽だが、今年は3本の映画が公開されるなど、再びその存在に注目が集まっている。

第70回ベネチア国際映画祭のプレミア上映で舞台あいさつを行った柳楽優弥

柳楽は、主演の渡辺謙と柄本明、本作でメガホンを取った李相日監督と共に現地入り。公式上映には1,000人以上の観客が詰めかけ、スタンディングオベーションと共に約10分間の拍手が場内に響きわたった。デビューして間もない2004年、主演映画『誰も知らない』で第57回カンヌ国際映画祭の最優秀主演男優賞を受賞した柳楽。今回はそれ以来の海外映画祭となり、当時を振り返りながら、「(あのときは子供だったのであまり覚えていないが、)今回は完全に記憶に残りました。あとスタンディングオベーションが長くて興奮しました」と語った。

上映に先駆けて行われた記者会見では、渡辺、柄本、佐藤浩市といったベテラン俳優陣に囲まれての撮影を「最初はとてもビビっていましたが、監督から『同じ土俵にいるのだから、負けちゃだめだろう』と言われ、頑張りました」と振り返り、「この映画を撮り終えたいまは、『世界のユーヤ・ヤギラ』と言われるような俳優になりたいと思います」と力強いコメントを残した。

『誰も知らない』で華々しいデビューを飾った柳楽だったが、以後、その栄光はプレッシャーとなり、俳優業を一時中断するまで彼の精神を追いつめた。その後、2010年に女優の豊田エリーと結婚。2010年には第1子女児を授かった。同年に映画『すべては海になる』で俳優復帰を果たしたものの、社会勉強のために居酒屋で働いていたことが報じられるなど、再び俳優業から遠ざかった。

しかし、今年は『許されざる者』をはじめ、『爆心 長崎の空』、『ゆるせない、逢いたい』(11月16日公開)の映画に出演。また、来年には『クローズEXPLODE』の公開を控え、再び「俳優・柳楽優弥」に熱い視線が注がれている。3日に都内で行われた『許されざる者』のジャパンプレミアでは緊張の面持ちで登壇し、「とても過酷な現場でしたが、この組に参加できたこと大先輩と共に過ごせた時間が、本当に僕にとってはとてつもない財産」と語った柳楽。「役も難しかったんですが、(渡辺)謙さんや柄本(明)さん、(佐藤)浩市さんに本当に支えられました」と感謝の気持ちを伝え、渡辺らも笑顔でその言葉に耳を傾けていた。