少女まんが雑誌『りぼん』で2008年10月号から連載している人気ホラー漫画『絶叫学級』の実写化作品が、6月14日から公開をスタートした。私立女子高に通う女子高生・荒樹加奈は、親友の香取絵莉花(松岡茉優)から学校に伝わる都市伝説を聞く。それは「12年前、校内の事故で亡くなった女の子が黄泉となって旧校舎に現れる。黄泉はどんな願い事も叶える代わりに、大事なものを奪ってしまう」。

ある日、加奈は軽い気持ちで受けた読者モデルの写真が雑誌に掲載され、クラスの人気者に。このことをきっかけに加奈は、校内で人気の高見沢リオ(広瀬アリス)に目をつけられ、いじめのターゲットにされてしまう。なんとか状況を変えようと加奈が向かったのは、噂の旧校舎だった。

主人公・荒樹加奈を演じたのが、今年に入り日本テレビ系のドラマ『金田一少年の事件簿 香港九龍財宝殺人事件』『シェアハウスの恋人』、映画『ボクたちの交換日記』に出演するなど活躍めざましい女優・川口春奈。『POV~呪われたフィルム~』(2012年)以来の2度目のホラー作品、そして"人間に潜むちょっとした心の闇"という重いテーマを扱った作品とどのように向き合ったのか。インタビューで18歳の胸中を探った。

川口春奈
1995年2月10日生まれ。長崎県出身。2007年、ファッション誌『ニコラ』(新潮社)のモデルとしてデビュー。2009年に第13代リハウスガールに抜てきされ、同年、フジテレビ系ドラマ『東京DOGS』でドラマデビューを果たすと、以後多数のドラマに出演。今年は同作のほか、3月に公開された内村光良監督作『ボクたちの交換日記』に出演した。 撮影:多月宏文

――最初に台本を読んだ時、率直にどう思いましたか。

ホラー映画と聞いていたので、パッと思い浮かんだのはお化けが出てきて、怖いことが起こるイメージでした。でも、台本を読んだらそれとは違う怖さで…。もっと深い、人間の心のドロドロした部分での怖さが描かれていたので、どのような感じで撮影するのか想像がつかなかったです。

――撮影を終えてみていかがですか。

撮影期間がとても短かったので、スケジュール的にはハードでした。お芝居も、事前にリハーサルもやって、インしてからもシーンごとに監督からアドバイスをいただきながら演じたので、短い中でもすごく濃い日々でした。1日1日が長く感じて、でもあっという間で…不思議な感覚でした(笑)。

――映画の序盤ではいじめられているクラスメイトを見て見ぬふりをしてしまう。しかし、その後の加奈はいじめられる立場にもなります。精神的につらい部分もありましたか。

いじめがテーマになっている作品でもあるので、リアルないじめのシーンは…試写を見た時になんというか…きついなと思ってしまいました。

――そして、いつしか加奈はいじめる側に。終盤には、川口さんの恐ろしい演技もありました。

そうですね。でも、人格の変わり方は、絵莉花(加奈の親友)の方が残酷で、最後のシーンは人間の怖い部分がでているんじゃないかなと思います。ぞっとしますが、見ている方には反面教師というか…こういうふうになっちゃダメだなと思ってほしいです。

――この作品では、学校内の"ランク付け"のような、日常にある残酷な面も描かれていますが、川口さんの身の回りではそういうことはありましたか?

ここまで過激なものはなかったですけど、やっぱり必ずどこにでも潜んでいることだと思います。この作品は日常の度を超えたものが描かれているので…。

――いじめる側のリーダー的存在・高見沢リオを演じた広瀬アリスさんとは、TBS系ドラマ『放課後はミステリーとともに』(2012年)でも共演しましたが、その時は親友という間柄でしたね。

今回は正反対の仲でしたけど(笑)。待ち時間はご飯食べたり普通に過ごしていました。同じ年で何でも話せますし、ほかの皆さんとは初対面だったので、最初は2人で話すことも多かったです。重い内容だったので、逆に現場は明るかったように思います。

――劇中には、モデルの栗原類さんも登場します。ブログではツーショット写真も掲載していましたね。

現場ではあまりお話しできなかったんですよ(笑)。ブログの写真は、現場で「いいですか?」と聞いたら「ぜひ」と言ってくださって。本当に真面目でテレビのままの印象でした。

――撮影は原作を読んで臨んだのですか。

原作自体は知っていたのですが、撮影が終わってから読ませていただきました。映画のほうが原作よりも直接的にドロドロした部分が描かれていました。……続きを読む。