映画『少年H』の原作者・妹尾河童、同作に出演した子役の吉岡竜輝と花田優里音が15日、兵庫県神戸市の新シネコン「OSシネマズ神戸ハーバーランド」のプレオープンセレモニーに出席した。

OSシネマズ神戸ハーバーランドのオープンを記念してテープカットが行われた(左からOS株式会社代表取締役社長・山内芳樹氏、花田優里音、妹尾河童、吉岡竜輝、神戸市長・矢田立郎)

8月10日に公開を迎える同作は、上下巻で340万部超のミリオンセラーを記録した同名小説を原作に、『鉄道員』(1999年)や『あなたへ』(2012年)などで知られる降旗康男監督がメガホンを取った。柔軟な考えを持ち、家族を温かく見守る父・盛夫(水谷豊)と大きな愛で家族を包む母・敏子(伊藤蘭)、そして2人のもとで好奇心旺盛に育つ"H"こと肇(吉岡竜輝)と妹の好子(花田優里音)。昭和初期の神戸を舞台に、戦争に翻弄されながらも勇気と信念と愛情をもって生き抜いた家族の姿を描いた。

プレオープンセレモニーではテープカットが行われ、神戸市関係者や撮影協力先を集めた特別試写会では出演者らによる舞台あいさつが行われた。「原作は阪神淡路大震災の翌年に刊行され、最初の講演会は神戸で行いました」と振り返る妹尾。「たくさんの映画化オファーを断り続けてきました」という彼が、同作に賛同したのはプロデューサーの「今の時代だからこそ映画にしたい」という熱意だった。「また、映画館の大きなスクリーンで上映されるのは初めてですので、皆さんと同じようにワクワクしています」と、作品の舞台・神戸での上映を喜んでいた。

神戸に縁があるのは妹尾だけではなく、子役の吉岡と花田も兵庫県出身。吉岡は「今だから言えますが…実は銃を担いだり、ほふく前進をしたりの撮影はとてもきつかったです」と撮影秘話を明かし、花田は「水谷さんも、伊藤さんも、竜輝くんも、本当の家族の様に仲良くしてくれました。ハーバーランドには何度か来た事あるので、新しい映画館には家族で見に来たいです」と語っていた。試写会には、映画にも登場したHの友人たち3名、妹・好子さんも出席。妹尾が司会を務め、アットホームな雰囲気で会は進行した。