山田洋次監督の最新作『小さいおうち』の主要キャストが発表され、女優の松たか子、倍長千恵子、俳優の妻夫木聡らが出演することが1日、明らかになった。

上段左から吉岡秀隆、松たか子、片岡孝太郎、下段左から黒木華、倍賞千恵子、妻夫木聡

本作は中島京子が直木賞を受賞した同名小説を原作に、大学ノートに綴られた小さいおうちでの小さな恋愛事件を通して、昭和と平成の東京と地方都市の暮らしを丁寧に描写した作品となっている。『母べえ』(2008年)で昭和の家族、『おとうと』(2010年)、『東京家族』(2013年)で平成の家族を描いてきた山田洋次監督が、この作品では、自らがまさに生きてきた昭和と平成2つの時代の日本を描く。

昭和編の主人公で平井家の奥様・時子を演じるのが松たか子で、その旦那・雅樹役には片岡孝太郎、雅樹の同僚・板倉正治役には吉岡秀隆。平井家に仕える女中・布宮タキ役には、今年に入り『草原の椅子』『舟を編む』『シャニダールの花』の3本の作品に出演するなど、注目の若手女優・黒木華が抜てきされた。平成編で晩年のタキを演じるのが倍賞千恵子。タキを慕う親類で、タキが大学ノートにつづった自叙伝を読み進め思いもよらぬ秘密を知ることになる青年・荒井健史を妻夫木聡が演じる。

今回の出演に際し、松は「山田監督に、時子という難しい役をいただき、感謝と緊張でいっぱいです」と語り、「私にとって彼女は、まだまだミステリアスな女性ですが、素敵な共演者の皆さんと共に、しっかりとじっくりと撮影に臨みたいと思っています」と意気込んでいた。山田洋次監督の『母べえ』(2008年)に出演したこともある倍賞は、「久しぶりの山田監督の作品に身を置いて、緊張しながらでも楽しく撮影ができたらなと思っております」とのコメントを寄せている。