俳優の妻夫木聡、橋爪功、吉行和子、夏川結衣、山田洋次監督らが13日、東京虎ノ門・金刀比羅宮にて映画『東京家族』(1月19日公開)の大ヒットを祈願し、この日集まった新成人約30人にエールを送った。

左から山田洋次監督、夏川結衣、橋爪功、吉行和子、妻夫木聡

妻夫木は自身の20歳を、「目の前の役者の仕事に一生懸命でした」と振り返り、「当時は大河ドラマの主役が夢だったので、夢はかなったと思います。大河ドラマの主役をやった時におじいちゃん、おばあちゃんから初めて役者の事についての手紙をもらいました。その時初めて本当の意味での家族孝行ができたと感じました」と2009年に放送され主人公・直江兼続を演じたNHK大河ドラマ『天地人』が役者人生に影響を与えたことを明かした。

また、この日集まった新成人に事前アンケートが行われ、回答結果をふまえてのトークイベントが行われた。同作にも登場する"おふくろの味"については、第1位が「餃子」という結果に。妻夫木は「おふくろの味は、僕の家にも祖母から受け継いだ雑煮があるんですけど、ちょっと変わっていて、するめとか餅とか、7種類ぐらい入ってる」と話し、「僕はとても好きなので、嫁さんになる人には受け継いでほしいです。でも最近はもう自分で受け継いじゃおうかなって(笑)」と理想の花嫁像に触れた。

そのほか、この日のイベントでは同作が第63回ベルリン映画祭に正式招待されることと、同作のモチーフとなった小津安二郎監督の『東京物語』のデジタルリマスター版も上映されることが発表された。山田監督は「今回はコンペではなく招待で、しかも一番大きなホールでの上映で栄誉な事と聞いています。とても良かったと思っています」と喜びつつ、「行きたかったのですが仕事で行けないのが残念です」と出席できないことを悔やんでいた。

邦画界の巨匠、山田洋次監督の通算81作目となる本作は、小津安二郎の名作『東京物語』をベースに小津監督へオマージュをささげた作品。瀬戸内海の小島で暮らす老夫婦の平山周吉(橋爪功)ととみこ(吉行和子)の子供たちに会うために上京する旅を通して、家族の絆と別れ、そして希望を優しいまなざしで描く。