東京都交通局と東京地下鉄は15日、新たなサービスとして、「九段下駅の乗換改善」「乗換駅の追加指定」「改札通過サービスの導入」を開始すると発表した。これらのサービスはいずれも3月16日より利用可能となる。

東京メトロ半蔵門線と都営新宿線を隔てる「九段下の壁」が撤去され、改札口を出なくても乗換えが可能に

九段下駅は都営新宿線と東京メトロ半蔵門線のホームが同一階にあるものの、これまで両路線のホームは壁に阻まれ、乗換えの際はいったん改札口を出なければならなかった。東京都交通局と東京メトロは2011年11月にこの壁の撤去を発表しており、同年12月より撤去工事が進められていた。

工事の完了にともない、4番線(半蔵門線押上方面)から5番線(都営新宿線新宿方面)へは同じホームで乗換えが可能に。壁がなくなるのでホームの幅も広がる。コンコース(改札)階では、西側の改札口付近にあった壁が撤去され、3番線(半蔵門線渋谷方面)と6番線(都営新宿線本八幡方面)の乗換えも改札の通過が不要に。東側・西側ともに都営地下鉄・東京メトロの両方の改札口から都営新宿線・半蔵門線の利用が可能で、改札口付近に両社局の券売機も設置される。

「乗換駅の追加指定」を受けるのは、都営新宿線の岩本町駅と東京メトロ日比谷線の秋葉原駅。両駅は神田川を挟んで近距離にありながら乗換駅とされていなかったが、3月16日より乗換駅に追加指定される。

上野~九段下間で日比谷線・都営新宿線を利用した場合、現行の330円から260円となるだけでなく、定期運賃も値下げされ、通勤1カ月で現行の1万3,050円から1万1,100円、通学1カ月で6,530円から5,560円となる。綾瀬~市ヶ谷間で地下鉄を乗り継ぐ際に千代田線を利用した場合でも、両駅間の最安運賃となる日比谷線経由が適用されるため、現行の330円から290円へと値下げされる。

「改札通過サービス」が導入されるのは市ヶ谷駅と春日駅・後楽園駅。市ヶ谷駅では、都営新宿線の利用者が乗換専用改札口から東京メトロの駅構内を通過し、目的地近くの出口まで行くことが可能に。春日駅・後楽園駅では、東京メトロ(後楽園駅)の利用者が乗換専用窓口から都営地下鉄の駅構内を通過し、目的地近くの出口を利用できるようになる。