1987年にシリーズ第一作の『かいけつゾロリのドラゴンたいじ』が発表され、そこから25年、長くにわたって多くの人々に愛されてきた原ゆたかによる児童書『かいけつゾロリ』シリーズ初の長編映画化作品『映画かいけつゾロリ だ・だ・だ・だいぼうけん!』が12月22日より公開された。

いたずらの王者になること、可愛いお嫁さんをもらうこと、自分の城を持つことなどを目的に旅を続けている主人公・ゾロリ。このゾロリを演じるのは、声優としてはもちろん、俳優、ナレーター、司会者など活躍の場を広げている山寺宏一である。昨年にはトータルで50巻超え、累計発行部数は3,200万部を超えるなど児童書の代表作に挙げられる『かいけつゾロリ』シリーズ。今回は、ゾロリとともに謎のトレジャーハンター「ゾロンド・ロン」の声と一人二役を演じた山寺に、本作の魅力や見どころ、作品に込められたメッセージを聞いた。

山寺宏一
1961年6月17日生まれ 宮城県出身
1985年のOVA作品『メガゾーン23』の中川真二役で声優デビュー。その後さまざまなアニメ作品、映画吹き替えに出演。今なお第一線で活躍し、代表作はさまざまなジャンルのアニメ、映画を横断し、枚挙にいとまがない。その変幻自在な声色と多彩な演技力から"七色の声を持つ男"とも呼ばれている

――ゾロリシリーズ初の長編映画化という事で、スケールの大きさを感じられた部分はありますか?

原作の『かいけつゾロリのだ・だ・だ・だいぼうけん!』も前編と後編に分かれている壮大な作品ですが、さらに劇場長編映画という事で映画やアニメならではの表現で物語を膨らませていますし、これぞ『ゾロリ!』という作品に仕上がっています。また、アクションシーンも満載ですので、アニメならではのスケールの大きさを感じられると思います。

――そういったスケールの大きさは劇中の舞台設定であったり、背景、建物を生かした仕掛けにも現れていますね

今回の舞台であるガパール山であったり、原作でお馴染みのブルル食品の工場なども出てきますので、そこでまた繰り広げられる面白い仕掛けやいたずらを楽しんで欲しいですね。劇場版だからこそできる面白い作品になっていると思います。

――では本作における山寺さんの好きなシーンをお聞かせいただければと

今回の舞台はガパール山という、挑んだ者が今まで誰も帰ってきた事のないといわれる険しい場所で、子供たちを救うためにゾロリが行くことになりますが、そういう時のゾロリは、最初は「俺についてこい!まかせろ!」ってかっこつけて言うんですけど、大体「あ、やっぱ無理」ってなるんですよね(笑)。あとは相変わらず勘違いをするんですけど、そういう調子こいてる所がやっぱり好きですね。

――台詞についてはいかがでしょう?

終盤の台詞は好きなものがたくさんあるのですが、今言うとネタバレになるので……この大冒険の結末にゾロリは何を語るのか!? という事で、映画を観るまで楽しみに待っていてください! このセリフは子どもや大人たちに響くメッセージになっていると思います。

――本作で山寺さんの好きなキャラクターとその理由について教えてください

今回の映画にも登場するブルルとコブルとか、妖怪学校の先生が大好きですね。アニメシリーズでは妖怪学校の先生を滝口順平さん(今回の映画では茶風林)が担当なさっていたんですけど、滝口さんのやる「ゾーロリせーんせっ!」のセリフがもう大好きで、原作のキャラクターにぴったりでした。滝口さんも楽しんで演じられていて、すごく可愛いいんですよね。もちろん僕と同い年の茶風林さんもしっかりやっていますよ(笑)……続きを読む