9月19日、日本航空(以下、JAL)が再上場を果たす。ここでは、上場廃止からこれまでの2年7カ月の間に、同社が導入・実施してきたサービスを短期集中シリーズでお届けしてみたい。第1回目のテーマは機内食。"空飛ぶ牛丼"から有名シェコラティエを採用したデザートまで、様々なコラボレーションが話題を呼んでいる。

"誰も"が口にするコーヒーを刷新

「JAL CAFE LINES」では、全路線・全クラスのコーヒーを刷新した。写真は国際線ファーストクラスでの提供コーヒー

JALが取り組んでいる機内食の改善。その初期の段階で、まずはコーヒーに目をつけた点がおもしろい。コーヒーは無料での提供であり、かなり多くの乗客が口にするため、「その味がJALのサービスに対する印象に強い影響を与える。そう考えてコーヒーの全面刷新に踏み切った」(同社)。新しいコーヒーのサービスは2011年4月28日に国内線(全クラス)で始められ、同9月1日からは国際線の全クラスでも「JAL CAFE LINES」と銘打たれスタートした。

「コーヒーハンター」と呼ばれる、世に紹介されていない品種や産地を探し出し生産者と協働で産業として確立させるスペシャリストである川島良彰氏、焙煎・抽出の第一人者である石脇智広氏。2人の協力を得て完成したコーヒーであり、「とても好評で、予想以上の反響」(同社)を得て、定番のサービスとなっている。

「JAL CAFE LINES」開始に際し行われた発表会にて。写真左から4番目がコーヒーハンター・川島良彰氏(Mi Cafeto代表取締役)

肉まんから牛丼までの「オリジナルグルメ」

このコーヒーの刷新とほぼ同じ時期にスタートした新しい機内食も、ヒットシリーズとして定着している。2011年6月、モスフードサービスとのコラボレーションで、新メニュー「AIR MOS BURGER(エアモスバーガー)」の提供を開始した。この機内食は「AIRシリーズ」として、その後、横浜中華街「江戸清 りーろん」の肉まんを「AIR肉まん」、吉野家の牛丼を「AIR吉野家」、ミスタードーナツと共同開発品を「AIR MISDO(機内オリジナルのドーナツ2種類とボストン・クラムチャウダーのセット)」、再びモスフードサービスと組んだ「AIR MOS ライスバーガー」、東京・日本橋の人気洋食店「日本橋三代目たいめいけん」の看板メニューの「タンポポオムライス」を「AIRたいめいけん」と名付け、人気シリーズとして提供され続けている。

「AIR吉野家」

「AIR MISDO」