全日本空輸(ANA)はこのほど、ANAグループ運航乗務員(約2,500名)にiPadを1人1台配布することを決定した。9月から約300名の運航乗務員による3カ月の運用検証を行い、その後、2013年2月より本格的に導入する。

今回のiPad導入は、2012年~2013年度ANAグループ経営戦略で掲げる「構造改革」の具現化の1つ。運航マニュアルの電子化やコックピット等における情報活用の促進を図ることで、高品質なオペレーションの実現と運航に関わるコストの効率化を推進するという。

これまで運航乗務員が天候等の運航情報を入手できる場所は限られていたが、iPadを活用することにより、最新の運航情報をいつでもどこでも容易に入手できるようになる。これにより、より揺れの少ない飛行ルートや高度の選定が容易になり、定時性の向上に寄与、高品質なオペレーションを実現できるとのこと。 将来的にはコックピットにおいて、エレクトロニック・フライト・バッグ(EFB)としてiPadを活用し、さらなる情報の効果的活用を目指すとのこと。

また、機内搭載マニュアルの電子化による機体重量削減、最新の旅客予約情報・搭載貨物情報に基づいた的確な飛行計画作成などよる無駄のない燃料搭載も可能になるという。さらに、マニュアルの電子化により印刷費用や維持管理費の削減、音声や動画を活用した訓練・教育教材を提供することで、より効果的な知識の習得が可能となり、運航乗務員個々の技量維持・向上も図っていくとしている。