「資本主義の犬め!」――ニコ動で愛される「しばいぬ子さん」の魅力とは?

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そんなキャンペーン特集ページで、今回無料で配信される作品の紹介をしてくれるのは、『しばいぬ子さん』のメインキャラクターである"しばいぬ子さん"。えっ?　そもそも"しばいぬ子さん"って誰かって? ではまず、"しばいぬ子さん"について皆さんにご紹介していきたいと思います。

最近、ゆる～い雰囲気の日常系漫画が流行しています。皆さん、現実に疲れているからでしょうか。漫画の中でくらいゆったりとした時間に身を委ねて癒されたい……そんな願望があるのかもしれませんね。そんな中、ニコニコ動画で人気を集めているアニメが「しばいぬ子さん」です。原作は竹書房の月刊「まんがくらぶオリジナル」で連載中の同名4コマ漫画で、タイトルからも何となく伝わってくる通り、まったりとした雰囲気で読める癒し系日常4コマ漫画です。

……と、今"日常系"と言いましたが、正確にはちょっと違います。なぜなら、物語に登場するしばいぬ子さんは一見柴犬なのに普通に喋るし、二本足歩行するし、あげくの果てにはセーラー服を着て中学校に通っているのです。これを果たして"日常系"と呼んでいいものか……。

しかし、彼女をそんな風に柴犬として見ているのは、主人公の石橋茶子と弟の優人だけで、それ以外の人には「小柄で茶髪のモフモフしている子」くらいにしか思われていません。このズレに対する茶子のツッコミの面白さと、しばいぬ子さんの愛くるしさが本作の最大の持ち味なのです。とはいえ、アニメ化されたしばいぬ子さんがニコニコ動画で人気なのは、単にしばいぬ子さんがかわいいからというだけではありません。

ためしに「しばいぬ子さん」でタグ検索してみるとアニメ本編動画が出てくるのですが、注目すべきはその動画時間。……なんと、どれも約2分15秒前後しかないのです。それって予告編とか、CM動画なんじゃないかって?　いえいえ、紛れもなく本編です。アニメ版しばいぬ子さんは、1話が約2分15秒しかないのです。これはもはや、ファンによって制作されたMAD動画の方が長いレベル! 「世界の車窓から」だってもうちょっと長いですよ!　公式アニメでこの数字はちょっと異例でしょう。

さらにさらに、驚くなかれ。その2分15秒のうち、オープニング曲(あるのかよ!)と、他の作品のグッズやDVDを紹介するCMコーナー(!?)が1分。つまり、本編そのものは1話ごとに約1分15秒しか放送されないのです。なんだそれ!

数々のキワモノアニメにツッコミを入れてきて、ちょっとやそっとのことでは動じなくなっているニコニコ動画ユーザーも、さすがにこれには驚愕したようで、アニメ「しばいぬ子さん」は1話からコメントで総ツッコミが入っていました。それでも本作がニコニコ動画で愛され続けているのは、その1分しかない本編がしっかり面白いからであり、さらに毎回変わらないオープニング曲や、本当にただの宣伝でしかないCM、さらにユーザーからコメントで入るツッコミまで含めて、しっかりと「しばいぬ子さん」としての世界観が完成されているから。全部で2分15秒という短さも、何も考えずに気軽に再生できる数字として実によく考えられています。これが30分とかあると、忙しいときは再生するのをためらってしまいますもんね。

ちなみにコメントにある「資本主義の犬め!」というキーワードは、そもそもしばいぬ子さんが、もともと『森田さんは無口』のアニメの放映後の宣伝番組で商品を宣伝を担当していたことから生まれた定番のツッコミフレーズ。CMコーナーが本当に露骨な宣伝であるにも関わらず、この愛されっぷり!　しばいぬ子さんのかわいさと、本編の面白さがあってこそといえるでしょう。

原作の「しばいぬ子さん」でも、アニメ同様……いえそれ以上に、しばいぬ子さんの可愛さが炸裂しており、動物好きもそうでない人も思わず笑顔になること間違いなし!　また、しばいぬ子さんのことが柴犬に見える茶子ちゃんの冷静な心中ツッコミとクールな視線がいいアクセントになっていて、4コマ漫画らしいオチもしっかりと楽しめます。

キュートでシュールで、クスっとしながらもほのぼの癒される、「しばいぬ子さん」は日々の生活に疲れた大人にこそ読んでほしい漫画なのです。

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