ギャバン/一条寺烈役の大葉健二(左)とヒロイン・ミミー役の叶和貴子

今年で生誕30周年を迎えた特撮ヒーロー番組『宇宙刑事ギャバン』のスペシャルDVD『宇宙刑事ギャバン メモリアル 30年目の再会』の発売記念会見が19日、都内で行われ、ギャバン/一条寺烈役の大葉健二、ヒロイン・ミミー役の叶和貴子が登場した。

会見前には、DVDのオーディオコメンタリーの収録が行われ、それにあたって本作を改めて見直したという大葉は「スタッフや出演者たちの熱や想いが画面から飛び出てきて伝わり、未だに注目されるということはこういうことなのかと思った」と感慨深げ。叶は「今日は"タイムスリップ"したような気持ちになりました。もう一回できるなら"ミミー"をやりたいなと思って、とても夢のあるお仕事をやらせていただいたと思っています」と当時に立ち返るように喜びを語った。

本作で大葉と叶を抜てきした吉川進プロデューサーは『ジャンルで言えば(『ギャバン』は)アクションもの。当時、千葉真一がジャパン・アクション・クラブ(JAC)を創設し、もともとはJACの正統派アクションマンだった金田治が『ギャバン』のアクション監督だった。そういう一つの系譜の中に大葉くんがいた」と、まず当時の特撮ヒーロー界を振り返る。そして「大葉くんは、私がやった『バトルフィーバーJ』や『電子戦隊デンジマン』でも戦隊メンバーのひとりを務め、千葉真一の門下(つまりJAC)だったから、お互いをよく知った仲だった。この『宇宙刑事』企画が成立した時に、何としても大葉くんでやりたいと強く希望していた」と話し、当時JACのエースと呼ばれた大葉の起用理由を明かした。

左から、吉川進プロデューサー、大葉健二、叶和貴子

DVDにはダイジェストや名場面集をはじめ、大葉健二によるオーディオ・コメンタリーなどが収録される

叶については「当時の叶さんはすでにスターだった。当時のこの手の作品は、新人の登竜門であり、それなりの地位の俳優さんは出しにくい。例えば仮面ライダー1号/本郷猛役の藤岡弘氏にしても、(野原ひろみ役の)島田陽子さんにしても、松竹の大部屋にいた全くの新人だったから。そういう状況の中、叶さんの起用が決まり、当時のテレビ朝日の制作局長には"よく叶さんに出てもらえたね"という評価もいただいたくらい、すごいことだったんですよ」と『ギャバン』が類稀な豪華キャストを揃えた作品であることを説明。当時の秘話を交えながらゆっくりと話す吉川に、報道陣も真剣な様子で聞き入っていた。

当時『ウルトラマン』シリーズと『仮面ライダー』シリーズ、『スーパー戦隊』シリーズとともに特撮ヒーローの一翼を担った『宇宙刑事ギャバン』。そのインパクトは強烈なものだったが、吉川プロデューサーは本作、あるいは後に『メタルヒーロー』シリーズとして成長した一連の流れをこう説明している。「当時、東映がつくったキャラクター路線には、仮面ライダーがあり、戦隊シリーズがあり、それに続く『宇宙刑事』シリーズは何としてもヒット作品にしなければならないという至上命令があった。その中で、監督、脚本家、特撮監督、アクション監督――当時の私のまわりには"日本最強の精鋭部隊"が揃い、その布陣で実現したのが『宇宙刑事』シリーズ。それが第3の東映のキャラクターになればという思いはもちろんあったが、現実的に枠の問題で至難だった」

『宇宙刑事ギャバン メモリアル 30年目の再会』本編からの場面カット

しかし、一連の特撮ものが海外で先に火がつき、日本に逆輸入されるというパターンもあり、吉川プロデューサーは早い段階から海外を見据えていたと続けた。「『宇宙刑事』はヨーロッパで評価を受けた。だからむしろ日本ベースではなくて、最初から外国でシリーズ化する方が早いんじゃないかなと私は思っていて。ダイナミックプロの永井豪氏も『外国で評価されると1ケタが違いますね』と言っていたのをよく覚えているし、"インターナショナル"に考えなければいけない時代だと思う。だから『宇宙刑事』も外国から作っていけばいいかもしれない」と語り、「これは私の夢も入っていますが」と最後には大きな構想を明かしていた。

そして話題は、初の単体映画『宇宙刑事ギャバン THE MOVIE』へ。大葉は、撮影前に本作の金田監督から「30年前と同じことをやるよ」と告げられたという。「当時の感覚を身体が覚えていました。ただ、サポーターは入れさせてもらいましたけどね。次の日も筋肉痛で……」と大葉がはにかむと、「翌日でるのは若いらしいですよ」と叶がすかさずフォローして笑いを誘う。残念ながら10月の新作に叶は出演しないが「なんで出演させてくれなかったんだろう……でも、自分が出演していなくても、すごくうれしい。また30年後とはいわず、ずっと続くといいなと思います」と今後のシリーズ化を熱望。「敵側でも、鳥がでてきて声だけでもいいから!」と"ギャバン愛"はつきない様子だった。

『宇宙刑事ギャバン メモリアル 30年目の再会』のパッケージ

本作のタイトルには「30年目の再会」とあるが、本日の収録を昨日会ったかのような雰囲気と表現した大葉は、最後に「約70分、いろんなものがふんだんに盛り込まれています。ぜひご家族で楽しんでいただきたいと思います」とファンへメッセージ。叶も「20年、30年……ファンの方も色々な人生を送ってきたと思います。(本作を見れば)もう一度ピュアな気持ちに戻れるはずです。私も今日戻りましたので(笑)そして、それぞれの新たな人生を歩んでいければいいな。本作はそういう作品だと思います」と作品をアピールしていた。

『宇宙刑事ギャバン』は、1982年~83年に放送され、『宇宙刑事シリーズ』三部作の第1弾、それを含む『メタルヒーロー』シリーズの第1弾作品にあたる。放送当時、極めて高い特撮映像のクオリティ、SF性、ライブアクション、物語のスケール、躍動感ある劇伴など、すべての点において画期的な作品として、大きな注目を集めていた。今年1月に公開された映画『海賊戦隊ゴーカイジャー VS 宇宙刑事ギャバン THE MOVIE』はVS シリーズ最高の全国52万人の大ヒット、さらに先週には初の単体映画『宇宙刑事ギャバン THE MOVIE』が今年10月に公開されることも発表され、まさに今年は「ギャバン旋風」吹き荒れる記念すべき年となる。

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