――特に凛さんの色を出しているのはどのあたりでしょうか?

「たとえば、『認めることより 中傷ばかりが溢れる世界 貶めることは容易いけれど ホントの事だけ 信じることが「強さ」だろう』とかですね。本当に簡単だと思うんですよ、人の悪いところを見つけるのって」

――褒めるほうが難しいですよね

「そうなんです。でも風潮的にちょっと……と思うところがあるので、私のメッセージとして詞の中に込めさせていただいています」

――普段から詞を書き溜めたりはしているのですか?

「基本的には、曲を聴いて、その場その場で言葉を紡いでいく感じです。曲に合わせて詞を書くことのほうが多いので、先に詞を考えていても、結局うまくハマらなかったりしますから。普段から漠然と考えたりすることもありますが、やはり曲ありきで、それにあわせて詞を書いていきます」

――ちょっとしたフレーズを書き溜めたりすることもないですか?

「まったくしないです。昔、ちょっと書いてみたりもしたんですけど、若干忘れっぽいところがありまして(笑)。そういう意味でも、出たとこ勝負のほうがあっていると思います」

――普段考えていることが、曲に合わせて自然と言葉になるという感じでしょうか?

「曲のイメージにあわせて、急に回路が繋がる瞬間がある、そんな感じですね」

――そのほかに注目してほしい歌詞はありますか?

「『好きなものは 好きだと 貫けよ 切り札は「自分さ」』のあたりですね。ここはけっこうガッツリと力強い言葉になっていると思います。『切り札』という言葉は、『ヴァンガード』なので、"カード"を意識して使っています」

――『ヴァンガード』のエンディングとして流れる「情熱イズム」に対する印象はいかがですか?

「これまでのエンディングは、けっこう爽やかだったり、ミドルテンポだったりするので、いきなり私に代わって、観ている方が面食らったりしないかなっていうのが心配でした。でも、これが凛の色だと思っていただけたらうれしいです」

――ミドルとアッパーだとどちらの系統のほうが好きですか?

「好きなのは……やはりアッパーですね。でも、決してミドルが好きじゃないとか、苦手というわけではないです。実際、メジャーになる前の凛の曲では、とことんまでに雅やかでミドルな曲もありますから。どんな世界観でも、5分間ぐらいはその世界観に染まれるので、どんな曲であってもまったく問題ないです」

――その中で、特に凛の世界観として考えている方向性はありますか?

「女性アーティストにはあまりいないと思われる『そうだろう?』とか『行くぜ』っていう言い回しですね。あまり女の子がこういう詞って書かないじゃないですか。私自身も普段は絶対にこんな言葉遣いはしないですけど(笑)、凛としてはそのほうがピッタリとハマるんじゃないかと思っています。逆に『○○だわ』みたいな歌詞は、過去も含めて一曲もないかもしれません。とにかく歌うときはガッツリというタイプです」

(次ページへ続く)