お笑いコンビ・サンドウィッチマンが、昨年8月に行われた全国ツアーの東京公演の模様を収めたライブDVD『サンドウィッチマンライブ2011~新宿与太郎完結篇~』をリリースした。東日本大震災発生によって、一時はツアー開催を断念することも考えたという宮城県仙台市出身の彼らが、オール新ネタで挑んだツアーについて振り返ってくれた。

サンドウィッチマンの伊達みきお(左)と富澤たけし 拡大画像を見る

――ツアーは全国6都市12公演が行われ、被災地・仙台での公演も無事に行われました

富澤たけし:「元々やる予定だった会場が震災の影響で使えなくなってしまったんですが、別の会場でやらせてもらえることになりました。ライブ自体をやるかどうか悩んだこともあったんですけど、笑っていただけてよかったです」

伊達みきお:「会場のキャパが1,000人というメジャーな方が演る場所だったので、心配もあったんですが、おかげさまでたくさんのお客さんが来てくれて。『笑いにきたよ~』って、女川、石巻、気仙沼から駆け付けてくれた人もいたんで、より気合が入りましたね」

――今回のツアーもオール新ネタでしたが、手ごたえはありましたか?

富澤:「実は、今回はツアーに向けての準備期間もとれなくて、練習もあまりできなかったんです」

伊達:「そう、練習不足のせいで漫才が途中で途切れてしまったこともありました。まぁライブならではのハプニングとは言えますが(笑)」

富澤:「漫才だとテンポが早いんで、一度はハマっちゃうと立ち直れないんです。これから芸人を目指す人には見ないでほしいですね(笑)」

――それでも、コントではマニアックな小ネタを随所に入れるなど、"攻めて"ましたよね?

伊達:「わからない人はわからないんですよね(笑)。でも僕らの中で面白ければそれはありなんです。伝わらない時もありますけど、全部やるという」

富澤:「小ネタは全部伊達の案なんですよ。僕はトータル的な部分を見てます。でも頑張って若者向けに出したのがB'Zですから(笑)」

伊達:「ライブ来てくれるのは、マニアックなネタが好きな人が多いんですよね。でも、客に寄せてきたなって思われるのもいやだし……。僕らが面白いと思ったことをやる、これから先これは変わらないです」

――ところで、震災という大きな出来事があった中、行った単独ライブにはどのような気持ちで臨みましたか?

富澤:「精神的に切り替えるのは難しいんですが、DVDを見てくれている方にとってはそんなことは関係ないですよね。面白いか面白くないかでしか判断してくれないから、面白いものを作らなきゃいけない。これはこれ、それはそれと、切り替えてやっていかないと」

伊達:「僕らは芸人ですし、単独ライブの時は切り替えなきゃいけない。ライブも開き直ってやりました。ただ、最近は報道も少なくなってきてますよね。頑張ろうと思えない人がまだまだいると聞いています。僕らは伝えなきゃいけない立場にいると思うので、『まだこんな状況ですよ』とか『ここまで復興してますよ』とか、いろんな情報を伝えていきたいですね」

サンドウィッチマンのライブDVD『サンドウィッチマンライブ2011~新宿与太郎完結篇~』は発売中。(発売元:エイベックス・エンタテインメント)