QP:flapperが語るTVアニメ『えむえむっ!』

まず最初に話を聞いたのは、原作ライトノベルで挿絵を担当するQP:flapperのさくら小春氏と小原トメ太氏の2人。『えむえむっ!』の魅力を支えるキャラクターたちが描き出された裏側や、アニメへの期待など、その熱い想いをたっぷりと語ってくれた。

QP:flapperのさくら小春氏(左)と小原トメ太氏(右)

――最初に『えむえむっ!』のアニメ化決定を聞いたときの感想はいかがでしたか?

さくら小春「最初、担当さんから電話をいただいたんですけど、出られなかったんですよ。そうしたら、(原作の)松野秋鳴先生からメールをいただきまして。でも、メールの文中には『アニメ化』とは書いてなくて……」

小原トメ太「妙なテンションのメールだったんですよ。電車の中で見たんですけど、『うわ、気持ち悪い!(笑)』ってつい声に出しちゃいました(笑)」

――妙にテンションは高いのに、「アニメ化」とは書いていなかったんですね

さくら「何となくそのメールの内容で想像はできたんですけど、『アニメ化』とは一切書いていなかったですね」

トメ太「『良かったですね、ウヒョー』みたいな、短文メールでした(笑)。仲が良い証拠です!」

――何となく想像はできたということですが、そのときのお気持ちはいかがでしたか?

さくら「いまだに信じられない気持ちもあったりするのですが、やはり最初は嘘じゃないかなって思いました」

トメ太「ドッキリかなって思ったよね」

さくら「その後、アニメの制作会社さんなどに打ち合わせにいったときに、『本当にアニメになるんだ』って、はじめて実感できた感じですね」

――ちなみに、『えむえむっ!』の挿絵を描くことになったきっかけはどのような感じですか?

さくら「担当さんからお話をいただいたのが最初ですね」

トメ太「(松野先生は)期待の新人なので、『これは来ますよ!』みたいな感じでお話をいただきました。煽り気味に(笑)」

さくら「ただ、最初のお話では、高校生の学園モノということだったんですけどね……」

――まあ、嘘ではないですよね……

さくら「ちょうどそのころ、一度くらいはそういった作品を担当してみたいと思っていたんですよ。でもちょっとスケジュールが合わなくて、ダメかなって思ったんですけど、1カ月待ってくださるということになり、やらせていただくことになりました」

トメ太「とりあえず引き受けることになりまして、打ち合わせでちゃんとしたあらすじを聞いたら、かなり変態的な設定で……。QP好みだなって思いました(笑)」

――実際に『えむえむっ!』の原作を読んだときの感想はいかがでしたか?

トメ太「マックで原稿を読んだんですけど、色んな意味ですごく感動して、ほかの絵描きさんに担当されたら悔しい! 描きたい! って心から思いました。特異な可能性を感じてしまって(笑)」

さくら「一巻のころから、トメ太くんは『絶対にこれはアニメ化される』って言ってましから」

トメ太「直感でそう思ったんですよ。でも五巻ぐらいまで来たときには、『あ、やっぱり無理かもー』ってなってました(笑)」

――これは無理だと

トメ太「放送倫理上やら大人の事情で……」

――でもアニメ化ですよ

トメ太「もう本当に奇跡ですよね!」

(次ページへ続く)