2010年2月24日に発売されたTVアニメ『機動戦艦ナデシコ』のBlu-ray&DVD BOX。その発売を記念した上映会が、2010年3月6日、東京・池袋のシネマサンシャイン池袋にて開催された。

2月24日に発売されたTVアニメ『機動戦艦ナデシコ』Blu-ray&DVD BOXのジャケットイメージ

今回行われた上映会は、下記に示す10話分のTVアニメ版『機動戦艦ナデシコ』と『劇場版 機動戦艦ナデシコ The prince of darkness』を一気に上映するというオールナイトイベント。放送から10年以上の年月を重ねる『機動戦艦ナデシコ』だが、チケットが発売から30分ほどでソールドアウトするという人気ぶりをみせた。今回のイベントでは、上映会のほかに、『機動戦艦ナデシコ』の佐藤竜雄監督、テンカワ・アキト役のうえだゆうじ、XEBECの千野プロデューサーによるトークコーナーを実施。放送からおよそ14年を数える作品の、製作当時の思い出話が語られた。

上映会の前に行われたトークコーナーでは、佐藤竜雄監督(左)、テンカワ・アキト役のうえだゆうじ(中央)、XEBECの千野プロデューサー(右)が登場

トークコーナーのメインテーマは、今回選ばれた十本の作品を選んだ理由。上映作品については、事前に観客にリストが渡されており、そこに簡単な理由も併記されていたが、トークコーナーではその内容がさらに詳しく語られ、さらにそれに付随するエピソードなどが披露された。

『機動戦艦ナデシコ』Blu-ray&DVD BOX発売記念上映会 上映話数

話数 タイトル
第1話 『男らしく』いこう!
第5話 ルリちゃん『航海日誌』
第6話 『運命の選択』みたいな
第13話 『真実』は一つじゃない
第14話 『熱血アニメ』でいこう
第18話 水の音は『私』の音
第19話 明日の『館長』は君だ!
第23話 『故郷』と呼べる場所
第25話 『私らしく』自分らしく
第26話 『いつか逢う貴女のために』
劇場版 The prince of darkness

佐藤監督も「話の流れを考えたら6、7、8話と続けたいところではあるが……」と語ったように、26本中の10本を選ぶのはやはり辛かったということだったが、出演者それぞれに思い出深い作品が選び出された。第1話については、「密度がすごい」という佐藤監督。「とりあえずナデシコを飛ばすまでお願いしますって言われたが、普通はないから(笑)」と苦笑する。また、当時のアフレコの様子について、「誰がどこに座っていたかというところも覚えている」と言ううえだ。「何がびっくりしたかと言うと、当時"読売広告社"にいた池田君が今はキングレコードにいること」と、当日の司会を務めていた池田慎一プロデューサーに話題を振る。ちなみに池田プロデューサーは、当時新入社員で、初めて担当した作品が『機動戦艦ナデシコ』。さらにキングレコードに入ってから最初に担当したのが今回のBlu-ray&DVD BOXだったとのことで「運命を感じる」と語る。

「ファン的にもルリちゃん3部作はほしいでしょう」(佐藤監督)とのことで選ばれた第5話。首藤剛志氏が脚本を務めた作品だが、佐藤監督いわく「最初は敵がチューリップを使って産業廃棄物を捨てる話だったはずなのに、脚本があがってきたら葬式の話にしちゃったんだけどって言われて(笑)」。そのほか、加戸誉夫氏が絵コンテ、はばらのぶよし氏が演出、後藤圭二氏と門之園恵美氏が作画監督を務めた第6話、水島精二氏が演出を務めた第13話など、「今考えると豪華スタッフ」というナデシコのスタッフ陣について、暴走ギリギリのトークが繰り広げられるなど、オールナイトイベントでのトークコーナーらしい(?)、裏話が続々と披露された。

劇場版のBlu-ray化に関するエピソードとして披露されたのが「ゴミ」。16mmのTV版と異なり、劇場版は35mmのフィルムで作られているため、Blu-rayにすると、「ゴミ」までもがキレイに見えてしまう。そのため、できる限りゴミ取りの作業も行われているが、キレイにしすぎるとセルっぽさがなくなるので、あえて残しているゴミもあるとのこと。「セル汚れというのですが、なかったことにするのは嫌だったので、それはちゃんと残しておこう、と。だから、当時の味として楽しんでほしい」(佐藤監督)。

Blu-ray化された『宇宙のステルヴィア』の映像も上映された
(C)XEBEC・FOUNDATION II・TX

また、『機動戦艦ナデシコ』に続いて、Blu-ray&DVD BOXとして『宇宙のステルヴィア』が3月24日に発売されるが、今回の出演者は揃ってその関係者ということもあり、Blu-ray化された『宇宙のステルヴィア』の映像が先行上映されるといううれしいオマケがあったほか、キングレコードの倉庫にしまわれていた、『劇場版 機動戦艦ナデシコ』のポスターが抽選でプレゼントされるなど、ファンにとっては大満足のトークイベントとなった。最後に佐藤監督の「放送当時は、こんなにふざけたアニメはすぐに忘れ去られるって言われていたんですけど、今こうしてHD化されたことにより、今後もナデシコは残っていくんだということで、すごく感慨深いです」という言葉でトークイベントは終了。休憩を挟んで、イベント本番となる上映会がスタートした。

『劇場版 機動戦艦ナデシコ』のポスターが抽選でプレゼントされた


タイトル 機動戦艦ナデシコ Blu-ray BOX
収録内容 TVシリーズ第1~26話+劇場版+映像特典 (OVA ゲキガンガー3 他)
仕様 HDニューテレシネマスター / 本編1080p High-Definition / BD50G / AVC / カラー / 4:3 (※DISC5のみ 16:9ビスタサイズ)
音声 日本語 / リニアPCM / 5.1chサラウンド (※DISC5のみリニアPCM5.1ch サラウンド / DTS5.1ch MASTER AUDIO)
パッケージ仕様 外箱付 (松原秀典描き下ろし) / 6枚組デジパック<BD5枚+DVD1枚 (特典DISC)>
封入特典 36Pブックレット
発売日 2010年2月24日 (発売中) 品番 KIXA-90016~90020
価格 37,800円
発売元 キングレコード
タイトル 機動戦艦ナデシコ DVD BOX
収録内容 TVシリーズ第1~26話+劇場版+映像特典 (OVA ゲキガンガー3 他)
仕様 カラー / 4:3スタンダード / 片面2層 (※DISC8のみ ビスタ(スクイーズ)収録)
音声 日本語 / ドルビーデジタル / 5.1chサラウンド (※DISC8のみドルビーデジタル5.1ch
パッケージ仕様 外箱付 (松原秀典描き下ろし) / 薄型ケース (DVD2枚収録) 5枚組
封入特典 36Pブックレット
発売日 2010年2月24日 (発売中) 品番 KIBA-91730~91739
価格 27,300円
発売元 キングレコード
※Blu-rayとDVDの映像特典内容は一部異なる
(C)ジーベック/ナデシコ製作委員会・テレビ東京
(C)ジーベック/1998 NADESICO製作委員会