普段何気なく使っている付箋。電話の伝言メモやタスク管理に使用するものの、なかなか減らずに、オフィス机に置きっぱなし……なんて人、いませんか? 当の私もその一人。上手な使い方を知って、メモのスキルを高めたい! そんな想いに駆られ、粘着メモのトップブランド「<ポスト・イット>製品」の製品開発を手がける住友スリーエムの財津慎也氏にお話を伺ってきました。やみつきになりそうな、活用テクニックが満載でしたよ! (聞き手 : マイコミジャーナル編集部)

住友スリーエムの財津慎也氏に<ポスト・イット>製品の活用テクニックをお聞きしました


ビジネスパーソンに焦点を絞るとわかり易いのですが、<ポスト・イット>製品には大きく分けて5つの使い道があると考えています。それぞれ順を追ってお話していきましょう。

(1)時間・タスク管理

私は、時間管理はスケジュール帳、タスク管理はノートを使っています。時間管理において<ポスト・イット>ふせんは「確定していないスケジュール」を書き込むのに重宝しています。

スケジュール帳ですが、私は見開き1週間のバーティカル式を使っています。タイム目盛が縦に並んでいて、1日のスケジュールの流れも一目瞭然です。例えば、打ち合わせの候補日程日が複数あるとします。その場合、<ポスト・イット>見出し(50mm×15mm)に予定を書き込み、各予定欄に貼り付けておくのです。日時が確定したら、<ポスト・イット>見出しを剥がして手帳に書き込めば、二重線などで消すことなく、見た目もすっきりします。また、<ポスト・イット>見出しをタイム目盛に沿って貼り付けておくことで、ダブルブッキングも防ぎます。

日時が確定していないスケジュールは、タイム目盛に沿って<ポスト・イット>見出しを貼り付けておく

次に、タスク管理。使うのはノートの表表紙の裏側です。スペースの左半分を「今週しなければならないこと」、右半分を「来週以降しなければならないこと」に分け、タスクを書き込んだ<ポスト・イット>見出し(50mm×15mm)を1枚ずつ貼り付けていきます。タスクが完了したら剥がすのですが、仕事の達成感を視覚的に味わえるので、是非やってみてほしいです。

その<ポスト・イット>見出しが左半分の一列で収まりきらない場合は、これ以上仕事を増やさないように優先順位を変更していきます。こうすることで、視覚的にタスク量を把握でき、自分の処理能力以上の仕事を抱え込まないようにすることができます。優先順位によって貼り替えるのも簡単ですし、なにより、いつも同じページでタスク管理ができるので、どこにタスクを書いたか忘れてしまう……なんてこともなくなります。

私の場合には、狭いスペースにたくさん貼っておきたいので、小さいサイズを中心に使いますが、<ポスト・イット>ふせん(75mm×25mm)をはじめ、さまざまなサイズを自分の字の大きさ等にあわせて選んでいただければと思います。

表紙の裏側に<ポスト・イット>見出しを貼り付けていく。タスク管理が視覚的に可能に

タスク管理で漏れがちなのは、他人に依頼したタスク。頼んでおいた仕事を忘れてしまったり、今誰が実作業を行っているのか分からなったりすることはありませんか? 私はこうした問題を解消するため、ノートに「チームメンバー」のページを設け、メンバーに依頼したタスクの「見える化」をしています。このページには、メンバーの名前が一人ずつ書かれ、その下には余白が用意されています。メンバーに依頼したら、「タスク管理」のページに貼っていた<ポスト・イット>見出しを「チームメンバー」のページに移動させ、依頼したメンバーの名前の下に貼り付けていくのです。もし、メンバーから依頼したタスクについて質問等があり戻ってきたら自分の「タスク管理」のページに再度移動させます。順調に完了した場合には、その<ポスト・イット>見出しは捨てます。このようにすることで、メンバーごとのタスクの進捗状況や、依頼したタスクがどこで止まっているのかが分かります。

「チームメンバー」のページ。メンバーの名前を書いた<ポスト・イット>見出しの下に余白を設け、それぞれ依頼したタスクを貼り付けていく