ジェイティービー(以下、JTB)は、国内パッケージツアー「エースJTB」の2010 年度新商品を1月末より順次発売している。

新商品を説明する同社 国内企画担当マネージャー 井上氏。エースJTB 40周年のコンセプトは「日本に、もっと恋しよう。」だ

現在は、旅先での各人の行動範囲が広がってきたため、添乗員が同行する団体行動型ではなく、「交通手段と宿泊を自由に組み合わせるフリー型の個人旅行のパッケージツアーが主流となっている」と同社 旅行マーケティング戦略部 国内企画担当マネージャー 井上浩一氏は語る。ITなどの普及で情報が容易に入手できることや消費自体が多様化する中で、「旅行自体が目的とされた時代から、旅行は目的を達成する手段に変わっていった。旅行先で何を体験したのかが重要視され、現地での本物の体験が求められている」。

写真の大阪「いらっしゃ~い号」や京都「いとをかし・女将おすすめ号」のほか、1998年より「日本の魅力の再発見」をテーマとする「日本の旬」キャンペーンでは、2010年度は、上期に「関西」、下期に「沖縄」のツアーに注力する

また、一個人の旅行の多様化を「一人十色」と表現し、「旅行会社はさらなる企画力が問われる時代になった」と説明した。そんな中で同社が着目・強化していくのが「現地参加型のガイドツアー」。同社が実施した消費者アンケートにおいて、「現地参加型プラン」未経験者の74%が「今後参加したい」、「現地参加型プラン」経験者では、99%が「再度参加したい」という意向を持つ結果となっており、新たに手がける地域発着かつ追加代金不要の「現地参加型ガイドツアー・まち歩き」の需要を見込む。

「いらっしゃ~い号」で出会えるよしもと芸人の「モスグリーン」

現地参加型ガイドツアー・まち歩きは、地元の人が直接現地を案内し、個人では味わえない「出会い」を体験できるというもの。例えば、「関西まち歩き100選」では、無予約・追加代金不要で「南京町と神戸cafe・雑貨通りガイドツアー」などを含む、100コースを用意。さらに、関西での展開として、よしもとの若手芸人がバスにてお出迎えする大阪「いらっしゃ~い号」や老舗旅館の女将が案内する京都「いとをかし・女将おすすめ号」など、その土地の雰囲気を存分に味わえるプランを企画している。

このほか、環境への取り組みとして、観光地への「電動アシスト付自転車」の配備を進めることを目的に、電動アシスト付自転車「旅チャリ」(レンタル料:2時間100円)の設置にも力を入れているという。

全国17箇所で展開し、「第6回エコプロダクツ大賞エコサービス部門 環境大臣賞」を受賞した「旅チャリ」