――プレスコも含めて、『ギャグマンガ日和』ならではの苦労や楽しみなどはありますか?

うえだ「瞬間的にすべてを放出してしまうので、何が印象的だったかというのはあまりないですよね。収録の間で全部やりつくしているという感じなので。やりつくせているのかどうかはわからないのですが(笑)」

名塚「うちの父にはスタエ ※6 が大人気で、エンドレスで観てくれているらしいのですが、木から下りるときの"ヨッコイショ"というのがどうもツボだったようです。意外なところが皆さんのツボに入るみたいですね(笑)。全体的にどの役をやっても楽しいですけど、男だったり、おばさんだったり、そういった普段はまったくやらないような役でも振っていただけるので、すごくやりがいもあります」

※6 『ギャグマンガ日和3』第11話と第12話に登場した女性型ロボット。スター女優を目指していた。


伊藤「一瞬一瞬の花火みたいな収録ですよね。名塚ちゃんが言っていたとおり、普段やらない役、私だったら、ヤギだとかトリだとか、動物がけっこう多いですね」
矢部「しかもかわいくない(笑)」
伊藤「そうなんですよ。ちょっと憎たらしい感じで、揚げ足を取るような動物が多いですね。でも、そういった役をやらせていただけるのもいい経験だと思っています。ただ、楽しみというよりは苦労ですけど(笑)」

矢部「苦労というほどの苦労ではないのですが、自分の出番が無いときもスタジオにいるんですよ。そのときに笑いを堪えるのがすごく大変で(笑)。笑い声で邪魔してはいけないので、ずっと堪えているんですよ。『ん、んぐ』って感じで」
内藤「もう漏れているじゃないですか(笑)」
矢部「なるべく漏れないようにしています(笑)。ただ出番のときは役に集中しているので、一切笑うことはないんですけどね」
伊藤「カッコいい!」
内藤「本当ですか?」
矢部「実は、前回の収録で、うえださんのセリフに笑ってしまって、立て直すのに苦労しました(笑)。だから、苦しみでもあり、楽しみでもあります」

内藤「先ほども言いましたが、キャストの皆さんがクセ者ぞろいで、一癖も二癖も、三癖も四癖もあるような人たちばかりなので、どういった芝居をするのかというところが楽しみですし、すごく刺激になっています。そこへどうやって自分が乗っかっていけるか。乗っかっていけるとすごく楽しんでやり通せますね。あと、本番を録っているときに、スタッフさんたちが隣の部屋から見ていて、ときどきすごく大笑いしてくれるんですよ ※7。それが聞こえてくるときはすごくうれしいのですが、逆に笑いがなくて、シーンとしてしまうことがあるんです。そういうときは、『今のダメだったのかな?』って心が折れそうになるので、ウソでもいいから笑ってほしいですね(笑)。収録中に笑いが起きる現場、キャストも笑いを堪えなければならない作品というのは、あるようでなかなかないことなので、すごく楽しいですし、それがうまく作品に乗って、皆さんに伝わっていれば、これ幸いという次第であります」

※7 収録スタジオでは、収録中には音を出さないのが本来の形。ただ、『ギャグマンガ日和』のプレスコの場合は、(みんな笑ってしまって、笑いを止めると作品が作れないので)マイクに入らない形であれば笑ってもOKということになっている。


前田剛「ここから参加する前田です(笑) ※8。プレスコはやはり絵が無いのがいいですね。自分の好きなテンポで喋れるというのが、すごくいいなって思っています。プレスコなら、原作の面白さをダイレクトに表現できるのではないかと思っています。逆に苦労するのが、芝居がノッてくると、相手のセリフにかぶせたくなるんですよ。相手のセリフを半分さえぎるぐらいにツッコんだほうが面白かったりする場合があるのですが、セリフがかぶっちゃうとやり直しになってしまうんですよね」
うえだ「制作技術上の問題でね」
前田「今の芝居は完璧だったなって思っても、『すいません、かぶりました』って言われて……。最高の芝居が、録り直しによってお見せできなくなったことが何度もありますね(笑)」

※8 当日、前田剛さんが劇場出演からの駆けつけということで、飛び入りでのインタビュー参加となっている。

(次ページへ続く)