――『ギャグマンガ日和』も第四弾になりますが、ここまで続いて盛り上がっている『ギャグマンガ日和』の魅力はどこにあると思いますか?

内藤「世の中にたくさんあるアニメーションの中でも、かなり特異な部類に入る作品だと思うんですよね。たぶん原作のマンガもそうだと思うのですが、そのあたりの斬新さや新鮮さが、皆さんに受け入れられたのではないかと思います。いろいろと難しく考えなくても、面白いものは面白い。そういった感覚的に面白いものがたくさんある作品なんだと思います。言葉のチョイスだったり、セリフの言い方だったり、叫び方だったり……。何かわからないけど、感覚的に面白いというところが『ギャグマンガ日和』という作品にはあるのではないしょうか」

矢部「すごく短いものが好まれている現代に、すごくマッチしたギャグアニメなのではないかと思うんですよ。今はお笑いでも1分、2分で終わるようなものが好まれていたりしますし、最初のインパクトがそのまま1、2分続いて、そのまま完結していく。深く考えず、観たいときにパッと肩の力を入れず、リラックスして観られるというところが、今の時代にすごくマッチしていて、それが女子高生のニーズにもあっていたというところではないでしょうか ※5

※5 『ギャグマンガ日和』は中高生女子の人気が高く、アニメのウェブサイトへのお便りのうち約60%が中高生女子からとなっている。


伊藤「言いたいことをすべて言われて、右に同じという感じなのですが(笑)、けっこう小学生の方も観ていて、普通に聖徳太子や芭蕉さんの真似をしていたりするそうなのですが、皆さんのすごい個性の下で、役者さんの味のようなものがそのまま伝わっているのではないかと思います。私の友だちも、私が出ていることを知らずに観ていたり……」
矢部「同業者のファンもけっこう多いですよね」
伊藤「多いですね。たしかに面白いですし、勉強になりますから。出来上がったものを観ると、ああ、こういう出方もあるのかと。そういう意味でも、個人的に本当に好きな作品ですね」

名塚「ぶっ飛び感でしょうか。原作の増田さんにもイベントなどで何度かお会いしたことがあるのですが、本を読んでもわかるとおり、ちょっと普通じゃないんですよ(笑)。最近、昔の映画を観たりするのですが、いわゆるヒット作を作っている監督の方って、みんなちょっと普通ではないと思うんですね。そうでないと、ああいった発想は出てこないと思うんですよ。そこがやはり尊敬するところだし、自分の一歩先を行くギャグセンス、普通に日常生活を送っていたら思いつかないようなことばかりなので、すごく笑えるんだと思います。この会話の流れで、その言葉は出てこないでしょうっていうのが、ポンポン出てくるというのは、やっぱり頭の様子が普通ではないのかなって……。まあ、つまり大好きですということなんですけど(笑)。そんな原作と、同じくらい普通ではない大地さんとのすばらしいコラボレーションから生まれたところに、この『ギャグマンガ日和』の魅力があるのではないかと最近思ってます」

うえだ「アニメーションでいうならば、コツコツとやっているところではないかと思っています。変にハデなビジネスに乗せられたら、きっとあらぬ方向にいってしまい、あらぬ評価を得てしまうのではないかと思っているので、もしこの先も続くのであれば、今のような感じでずっと続いていってほしいと切に願っています」

(次ページへ続く)