首都圏の空港を巡る動きが喧しい。来年10月に羽田空港に4番目の滑走路ができるかと思えば、成田空港は暫定滑走路の完成工事を5カ月前倒しで進め、来年3月開港の茨城空港は「格安エアラインの拠点空港を目指す」とアピール。そんな激変する首都圏の空港事情と、旅行者が知っておきたい最新事情をレポートしよう。

便利な羽田発、北京線も決定

まずは、現時点での最新情報を見てみよう。

知っている人も多いかもしれないが、今でも羽田空港からはソウル、香港、上海への国際線が運航されている。これらの便には、"国際旅客チャーター便"という不思議な呼び名が付いているが、これは国が「国際線は成田、国内線は羽田」と区分けしていた頃のいわば名残りで、羽田からの国際定期便を公には認められなかったから。旅行者は何も気にせず普通の定期便と同じように利用すればいい。

羽田空港の暫定国際線旅客ターミナル。朝夕が特に混雑

現在、羽田からのフライトを運航する航空各社

便数も豊富で、ソウル線は日本航空(JAL)、全日本空輸(ANA)、大韓航空、アシアナ航空が1日2便ずつの計8便。香港線はJALとANAが1日1便ずつの計2便。上海線はJAL、ANA、中国東方航空、上海航空が1日1便ずつの計4便を運航。つい最近、10月からの北京直行便の運航も決まった。

都心に住むビジネスパーソンは羽田の便利さをよくご存知のはず。成田空港の場合、出発の2時間前には空港に着くようにした方がいいが、羽田なら45分前で十分に間に合う。出発間際まで仕事をしたい時は、成田の快適な空港ラウンジが使えればそれはそれでありがたいが、羽田ならオフィスでギリギリまで仕事ができるから、そもそもラウンジは必要ないともいえる。また、羽田はバスや車が渋滞などで遅れるリスクが成田よりずっと小さい。ソウルと上海へ行く場合、現地の到着空港が成田発着便よりも市内に近いという利点もある。航空券の料金は、成田発着の方が安い傾向にあるが、空港までの交通費と所要時間を考えれば、ほとんど差はない。

それともう1つ。羽田の充実した国内線のネットワークも魅力だ。地方空港からの旅行者が首都圏の空港で乗り継いで行く場合も、かなり便利なケースがある。たとえばANAで秋田から香港へ行く場合、秋田 - 羽田 - 香港と、秋田 - 羽田 - 成田 - 香港(秋田 - 成田線はないから羽田経由となる)とでは前者の方が約5時間も所要時間が短い。

とはいえ、今のところ羽田発着の国際線は、ソウル、香港、上海、それに10月から始まる北京線だから、この4路線を利用する場合に限り、成田と羽田を比較しながらフライトを選ぶことになる。

ただ、羽田は24時間の運用が可能な空港で、深夜・早朝発着のチャーター便を運航する航空会社が目立ってきた。今夏でいえば、キャセイパシフィック航空の香港便やコンチネンタル航空のグアム便などが運航されている。