映画『天使と悪魔』の完成披露記者会見が7日、都内にて行われた。会見には主演のトム・ハンクス、ヒロイン役のアイェレット・ゾラー、ロン・ハワード監督、プロデューサーのブライアン・グレイザーら4人が登壇し、本作への意気込みを語った。

本作は、3年前、世界中に一大旋風を巻き起こした『ダ・ヴィンチ・コード』のシリーズ最新作。前作でキリストの秘密を暴き、カトリックの総本山・ヴァチカンを敵に回したラングドン教授(トム・ハンクス)が、今度はヴァチカンを守るために奔走する。ヴァチカンに牙をむく秘密結社"イルミナティ"の兇行を止める道しるべは、ガリレオの著書『図表』に隠されているというが……。

『ダ・ヴィンチ・コード』以来、3年ぶり6回目の来日となるトム・ハンクス。登場時は日本風にお辞儀をして挨拶をした

ヒロインに大抜擢されたアイェレット・ゾラー。「お墓に行くまで忘れない」すばらしい経験になったという

前作同様、主人公のラングドン教授役を務めるトム・ハンクスは、「ラングドンはシャーロック・ホームズみたいな普遍的なヒーローの要素を持っていると思うんだ」と自身の役を絶賛し、「私はこの映画を5本でも6本でも撮りたいんだけど、実現するかどうかは(原作の)ダン・ブラウン、そして(監督の)ロン・ハワード次第だからね(笑)」とおどけながらも続編製作への意欲を見せた。

続編というと、先日ダン・ブラウンの最新作『ザ・ロスト・シンボル』の完成が発表されたばかり。気になる映画化の行方だが、プロデューサーのブライアンは、「トムに聞いてくれよ。出てくれる?」と逆質問。当のトム・ハンクスは「また東京に来て4日間のプロモーションの機会をくれるならいいよ」とジョークで返していた。

ロン・ハワード監督の来日は、『アポロ13』以来10年ぶりなのだとか。物議を醸すシリーズの撮影経験は「結果的にプラスになった」

プロデューサーのブライアン・グレイザー。「原作自体が今回の方が映画に向いているし、ストーリーにもすごくペースが出た」と映画の完成度に自信を覗かせた

ヴィットリア・ヴェトラ役のアイェレット・ゾラーは、話題作のヒロインに大抜擢された感想を求められると「ファンタスティック!」と声を上げ、「(撮影中は)もうとにかく楽しい時間を過ごしました。夢には見ていたけれど、まさか実際に出演できるなんて思ってもいなかったから」とその喜びの大きさを表した。

宗教と科学の対立というテーマと、ヴァチカンの秘密を巡るストーリー展開だけに、ヴァチカン市での撮影許可が下りないという事態に。これについてロン・ハワード監督は、「ヴァチカンの協力が得られないことは最初からわかっていた」とケロリ。代案の一つとして敢行したローマ市内のゲリラ撮影については、「法律はもちろん犯していない。しかし許可も取っていない」。ニヤリと笑い会場を沸かせた。

会見後に行われたジャパン・プレミアでは「天使と悪魔」像の除幕式も

映画『天使と悪魔』は、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント配給で5月15日(金)、全世界同時公開。