24種類の解説を終えたところで、それぞれの違いがすぐにわかるマトリックスを公開しよう。
1.「サントネージュ 酸化防止剤無添加 有機ワイン」(日本)
2.「Santa Helena Grand Vino Cabernet Sauvignon」(チリ)
3.「有機栽培ぶどうのおいしいワイン。赤」(日本)
4.「酸化防止剤無添加ワイン 赤」(日本)
5.「VINA MAIPO Cabernet Sauvignon/Merlot 2008」(チリ)
6.「Castel Vieux Papes Rouge」(フランス)
7.「TAVERNELLO SANGIOVESE」(イタリア)
8.「RIVERCREST RED」(アメリカ)
9.「Carlo Rossi California Red」(アメリカ)
10.「おいしい酸化防止剤無添加ワイン」(日本)
11.「おいしい酸化防止剤無添加ワイン ふくよか赤」(日本)
12.「ボン・ルージュ」(日本)
13.「ボン・ルージュ ライト」(日本)
14.「FZ FRANZIA SCN」(アメリカ)
15.「Frontera CabernetSauvingon 2007」(チリ)
16.「Frontera Carmenere 2007」(チリ)
17.「Soldepenas Tinto」(スペイン)
18.「ポレール うれしいワイン 赤」(日本)
19.「ポレール もっとうれしいワイン 濃口・赤」(日本)
20.「ポレール クリアドライ 赤」(日本)
21.「ポレール アミノナチュレ 赤」(日本)
22.「サッポロ アロマルージュ酸化防止剤無添加 赤」(日本)
23.「ポリフェノールたっぷり酸化防止剤無添加赤ワイン」(日本)
24.「COMTE LABOURE」(フランス)
さて、ここからは一通り飲んでみての感想を述べさせていただく。まず、今回試飲した24種類のワインの特徴は、大きく分けて以下の4点となる。
- スクリューキャップが多い
- ネーミングがわかりやすい
- 国産ワインと外国産ワインのボディの重さ表記は違う
- 世の健康志向を反映している
24種類のうち、コルク仕様だったのは「カルロ・ロッシ」(アメリカ)、「ソルデペニャス」(スペイン)、「コントゥ・ラブレ」(フランス)の3種類のみで、すべて外国産。国産は全商品スクリューキャップだった。飲みやすさや購入しやすい価格設定に加え、この"手軽に飲めて保存もしやすい"といった点も"格安ワイン"には大切な要素なのである。そして「おいしい」とか「うれしい」という恐ろしくわかりやすいネーミングも、外国語が溢れまくっているワインコーナーでは目を引く。
ワインの裏ラベルによく、「フルボディ」「ミディアムボディ」「ライトボディ」などと書かれているのを見かけたこともあるだろう。外国産の辛口ワインの場合はほぼそれに従えば間違いはないのだが、国産ワインの場合、フルボディとあったらそれはミディアム、ミディアムボディとあったらそれはライト、と考えたほうがよいだろう。そしてミディアム、ライトの表記があったら「甘口」の表記がなくとも若干甘め、と考えよう。
さらに、今回のワインの中で目立ったのが「酸化防止剤無添加」のワイン。酸化防止剤とは、文字通りワインを酸化させないための薬品・亜硫酸である。加えるタイミングは、ワインになる前、収穫したぶどうを皮を砕いたり硬を除くときが一般的。これにより酸化を防ぎ、殺菌効果もあるという。しかし、これを加えることでぶどう本来のおいしさが損なわれたり、体に影響が与えられたりすることもあるため(ワインを飲んでたまに変な頭痛に襲われたりするのは、これが大量に加えられている可能性がある)、酸化防止剤無添加のワインは海外の生産者の間でも浸透し始めている。だが、「酸化させない」ということはよいワインをつくるうえで非常にリスクが高く、従って技術力も必要とされるのだ。各社でぶどうの品種や醸造技術の違いがあるため、「酸化防止剤無添加ワイン」の味の定義は残念ながら私には見つけられなかった。しかし、「より体にやさしいものを選ぶ」というのも、これからの時代、ワイン選びの際ひとつの選択肢になるのではないだろうか。