今回試飲する赤ワインを選ぶ際の条件はただ1つ、「税込み800円以下であること」。集めたワインは国産・外国産問わず全24種類。ただし今回は「甘口」と表記のあるもの、ブドウ以外の果実が加えられたもの、ロゼ、容量600ml未満のものは除いた。
アサヒビール
1.「サントネージュ 酸化防止剤無添加 有機ワイン」(日本)
市場予想価格774円(720ml)
有機栽培ぶどう果汁を100%使用し、酸化防止剤(亜硫酸塩)を使用せず造られたワイン。農林水産省登録有機認定機関「Eco-QAI Japan」により認定も受けている。ブレンドの洗練や最適酵母の選択などにより、フレッシュでフルーティなワインに仕上げているという。アルコール度数は10.5%。
ソムリエコメント 明るいルビー色。色は濃くないが、その割りにはワイルドなベリー系(ブラックベリー)の香りが漂う。少しシナモンのようなスパイシーさも。飲んでみると、イチゴジャムのように爽やかな酸っぱさと甘みを感じる。渋みはほとんどない。
2.「Santa Helena Grand Vino Cabernet Sauvignon」(チリ)
(サンタ・ヘレナ・グラン・ヴィーノ・カベルネ・ソーヴィニヨン)
市場予想価格714円(750ml)
1942年創業のサンタ・ヘレナ製ワイン。チリのなかでも高級ワイン産地のひとつであるコンチャグア・ヴァレーに700haもの畑とワイナリーを持つ企業だ。同ワインは、カベルネ・ソーヴィニヨン100%で、アルコール度数は13%。
ソムリエコメント 今回のテイスティングの中では一番濃い色調でダークルビー。香りもダークチェリーを思わせる黒い果実とカベルネ独特の青草さ、胡椒っぽさもある。タンニンがありボリュームを感じるが、酸がやわらかなためスムーズに飲める。
サントリー
3.「有機栽培ぶどうのおいしいワイン。赤」(日本)
市場予想価格613円(720ml)
厳選した有機栽培ぶどうだけで造られたワイン。有機栽培ぶどうが持つしっかりとした味わいをいかしつつ、熟したぶどうの香りとまろやかな味わいが特徴。誰にとっても飲みやすい味を目指したとのこと。アルコール度数は12.5%。
ソムリエコメント 明るい色調で、イチゴやラズベリーのチャーミングな香り。かなりの甘みを感じるが、シャープな酸味が長く残るのでベタつき感はなく、すっきりと飲める
4.「酸化防止剤無添加ワイン 赤」(日本)
市場予想価格617円(600ml)
酸化防止剤を一切加えていない赤ワイン。ボトルに詰めるまでのあらゆる工程でワインと酸素が触れないよう工夫し、酸化を防いでいるという。コンコード種由来のまろやかな香りや、やさしい甘さが特徴的。ポリフェノールが100mg / 100ml含まれており、アルコール度数は10%。
ソムリエコメント 明るいルビー色。アメリカンチェリーではなく、日本のさくらんぼのようなやさしくて華やかな香りがする。先に紹介した同社製「有機栽培ぶどうのおいしいワイン。赤」同様に甘みと酸味が際立っているが、こちらのほうが幾分軽やか。
5.「VINA MAIPO Cabernet Sauvignon/Merlot 2008」(チリ)
(ビニャ マイポ カベルネ・ソーヴィニヨン / メルロ 2008)
市場予想価格760円(750ml)
チリならではの豊かな果実味とフルーティさを持ちあわせ、まろやかな口当たりのワインに仕上がっている。カベルネとメルロを使ったいわゆるボルドーブレンド。アルコール度数は12.5%。
ソムリエコメント ルビー色。カシスやブラックベリーといった黒い果実に胡椒のスパイシーさを感じ、少しだけスモークのニュアンスもある。まだ若いが、多少の渋みを感じる。また、味わううちに奥のほうから酸味がじわじわときて、食欲を刺激する
6.「Castel Vieux Papes Rouge」(フランス)
(カステル ヴュー パープ 赤)
市場予想価格710円(750ml)
1949年にフランス・ボルドー地方でワイン商としてスタートしたカステル社が造る、フランスで最も親しまれているというヴァン・ド・ターブル(テーブルワイン)。アルコール度数は12%。
ソムリエコメント ルビー色。ラズベリーのような赤い果実の香りとスパイシーな香りがある。切れのいい酸が印象的だが、ほのかな甘みもある。飲み飽きないので食中酒向きのワイン。
7.「TAVERNELLO SANGIOVESE」(イタリア)
(タヴェルネッロ サンジョヴェーゼ)
市場予想価格710円(720ml)
全イタリアNo.1、世界でもNo.4の売り上げを誇るというカヴィロ社のワイン。ぶどうはサンジョヴェーゼ種主体。ちなみにこの種はトスカーナ州のキャンティが有名だが、実は隣接するエミリア・ロマーニャ州でも生産が盛ん。アルコール度数は11%。
ソムリエコメント 明るいルビー色。木苺やラズベリーに、若干なめし皮っぽい香りも。酸はシャープながら、醤油のようなしょっぱさもり、日本人には馴染みがよいのではないだろうか。
8.「RIVERCREST RED」(アメリカ)
(リバークレスト レッド)
市場予想価格670円(750ml)
カリフォルニアの熟したぶどうから造られているワイン。ぶどうのフレッシュさと軽やかなフルーティさが楽しめる仕上がりとなっている。アルコール度数は11.5%。
ソムリエコメント 明るいルビー色。ラズベリーの甘酸っぱい香りとカシスの深い香りをあわせ持つ。爽やかな酸に、温暖な気候で育ったぶどうならではのバランスのよい甘みと苦味もある。
9.「Carlo Rossi California Red」(アメリカ)
(カルロ ロッシ カリフォルニア レッド)
市場予想価格670円(750ml)
1933年にカリフォルニア州で解説されたワイナリー・E&J ガロ社が造る赤ワイン。カベルネ・ソーヴィニヨン、バルベラ、ルビー・カベルネ種のブレンドとなっている。アルコール度数は11.5%。
ソムリエコメント 明るいルビー色。カシスやブラックチェリーの黒い果実の香りがある。やわらかい甘みとすっきりした酸味、緩い苦味が心地よい。8の「RIVERCREST RED」よりも若干ボディがある。