不動産経済研究所が20日発表した2008年の「首都圏マンション市場動向」によると、新築マンション発売戸数は前年比28.3%減の4万3,733戸となり、1993年以来15年ぶりに5万戸を割り込んだ。減少幅は1991年のバブル崩壊時(34.5%)以来の大きさ。

エリア別では、東京都区部が5.8%減と比較的小さな減少幅にとどまったほかは、いずれも30%以上減少。特に東京都下と千葉県はそれぞれ43.6%減、44%減で4割強の落ち込みとなった。

一戸当たりの平均価格は前年より2.8%高い4,775万円で、6年連続の上昇。しかし、エリア別でみると、東京都下が9.5%値上がりのみで、ほかのエリアは0.6~3.1%の値下がりとなった。もっとも平均価格が高かったのは東京都区部の5,932万円、逆に低かったのは千葉県で3,589万円。

売れ行きを示す契約率は2007年(69.7%)をさらに7.0%下回る62.7%で好不調の目安とされる70%を割り込んだ。12月末現在の在庫数は1万2,427戸で、2007年末に比べて1,664戸増加した。

なお、いわゆる「億ション」の発売戸数は前年比5.7%減の1,268戸。過去最多だった1990年(3,079戸)の半分以下にとどまった。最高価格は港区のマンションで13億9,500万円。

2009年の首都圏のマンション販売戸数については前年比7.5%増の4万7,000戸と予想。昨年12月発表の「首都圏マンション市場予測」(同研究所)によると、市場回復は低価格物件の導入が急がれる郊外部からで、用地費や建設コストが落ち着いた「新価格」物件が秋口以降に出てくると予測。超高層、超大型物件は依然人気を集めるものの、リスクを回避し中小の物件が主力となるとしている。