各メーカーが薬局・薬店やスーパーなどで販売するマスクには、今や高機能や多機能な"次世代マスク"が登場している。その中から今回は編集部が独自に決定した7タイプのマスクを取り上げる。これからの風邪予防や来る花粉の季節に備えて、自分の用途にあった"最適なマスク"を選んでみよう。

先日、個人でできるインフルエンザ対策について紹介したが、家庭用マスクといえば、誰でもできる簡便性、副作用がない安全性、そして費用対効果から見てもセルフケアのカリスマと言っても過言ではないだろう。富士経済の市場調査によると、家庭用マスク市場は2003年にユニ・チャームが花粉症対策用の「超立体マスク」を発売し、ヒットしたのを機に急拡大したという。2008年も従来のウイルス・花粉などからの防御用だけでなく、オフィスや就寝時に「乾燥からのどを守る」といった新たな訴求の商品も増えており、使用目的が増加したことで市場は前年比10.2%増の141億円が見込まれているようだ。

市販されている家庭用マスクの約97%は「不織布(ふしょくふ)製マスク」で、「ガーゼマスク」との2種類だという。厚生労働省によると、花粉の粒子の大きさは20μm~30μm、インフルエンザウイルスなどのウイルスはそれ自体は0.1μm程度の大きさだが単独では飛ばず、唾液等の飛沫とともに飛散する時の大きさは5μm程度だというので、用途に合わせてマスクのフィルターの密度を選択すると良いだろう。なお、厚生労働省は新型インフルエンザ発生時には家庭で不織布製マスクの使用とともに備蓄を推奨している。目安としては、発症時用に7~10枚、健康な時の外出用に16枚として、併せて一人当たり20~25枚程度の備蓄が考えられるという。以下、多種多様な広がりを見せている家庭用マスクから7タイプを紹介するので参考にしてほしい。

(1)プロ仕様でがっちり!の高機能マスク-- 一般向けのN95呼吸保護具(マスク)

「<ネクスケア>呼吸保護具 8670F」(オープン価格)

新型インフルエンザの大流行が危惧されている中、今最も注目されているのがより高い密閉性が得られるという高機能マスク「N95呼吸保護具(マスク)」だ。0.3μm以上の塩化ナトリウム結晶の補集効率は95%以上といい、本来は医療従事者が使用するものだが、一般用にも発売され始めた。中でも住友スリーエムは、米国のFDA(米国食品医薬品局)が初めて一般用として認可したN95呼吸保護具「<ネクスケア>呼吸保護具 8670F」(オープン価格)を販売。フィルター性の高いポリプロピレン不織布を積層し、携帯に便利な3面構造の折りたたみ式になっている。微粒子や細菌の吸入を防ぐため、鼻の部分には鼻の形に合わせ調整するアルミ製ノーズフィッターや、密着性を高めるためのポリウレタンのノーズフォームがついているなどの特徴がある。

(2)ウイルスや花粉を吸着・分解する新素材マスク

ダイワボウノイは、抗ウイルス素材を使用したという新型多機能マスク「アレルキャッチャー」(希望小売価格1枚200円)を販売。ダイワボウグループが京都産業大学との産学協同研究において開発した同素材を使用し、原料から最終パッケージまで全て国産だという。日常生活で使用しやすいように比較的長時間使用が可能な不織布製のプリーツ型形状を採用し、「バクテリアろ過効率99%を有するサージカルタイプでウイルス飛沫等に対して高機能性を発揮する」(同社)という。

「アレルキャッチャー」(200円)

次ページではさらに多種類のマスクについて紹介します。