マイボイスコムはこのほど、「たばこ」に関するアンケート調査結果を発表した。成人識別ICカード「taspo(タスポ)」の所有率は約35%と低く、持っていない人の半分以上が「『taspo』がなくても不便に感じない」と回答。タスポは必ずしも喫煙者の"必需品"とはなっていないことが明らかになった。

調査は同社リサーチコミュニティ「MyVoice」の登録メンバーを対象に10月1日から5日まで実施、14,473人から回答があった。

調査によると、たばこを「現在吸っている人」は23.6%。1日あたりの喫煙本数は「16~20本」が32.9%ともっとも多かった。また、たばこの購入形態をきいたところ、「一箱ずつ購入する」が44.3%で最多となっている。

「あなたは一日にたばこを何本ぐらい吸いますか?」に対する回答結果―マイボイスコム調べ

喫煙者を対象に「『taspo』を持っていますか?」と質問したところ「持っている」と答えたのは35.2%と3人に1人程度。さらに、所持していない人に『taspo』の申し込みをしたいと思いますか?」と尋ねたところ、「申し込みをしたい」「どちらかといえば申し込みをしたい」と答えたのは合わせて、17.6%と2割に満たなかった。

「あなたは『taspo(タスポ)』の申し込みをしたいですか?」に対する回答結果―マイボイスコム調べ

「あなたは『taspo(タスポ)』の申し込みをしたいですか?」に対する回答結果―マイボイスコム調べ

今年7月にはタスポなしではたばこが購入できない「成人識別たばこ自動販売機」がすべての都道府県に導入された。しかし、所持していない人を対象にした「『taspo』を持っていないため、不便だと感じることはありますか?」の質問では、51.6%が「あまり不便だと感じない」「まったく不便だと感じない」と回答し、「とても不便だと感じる」「やや不便だと感じる」の47.2%を上回った。

「『taspo(タスポ)』を持っていないため、不便だと感じることはありますか?」に対する回答結果―マイボイスコム調べ

購入先では、「コンビニ」が80.0%と断トツのトップで、2位の「自動販売機」(29.3%)を大きく引き離した。また、「自動販売機で買えなくなったので、コンビニでカートンで買うようになった」(48歳男性)、「自販機で買う回数が減り、コンビニなどでついでに購入(することが)増えた」(67歳男性)、「自動販売機での購入が面倒になった」(29歳女性)といったコメントから、タスポ導入により自販機での購入から、コンビニやスーパーなどでの店頭購入にシフトしていることが窺える。

あなたは普段、たばこをどこで購入しますか?」(複数回答)に対する回答結果―マイボイスコム調べ

そのほか、回答者のコメントのなかには、「持っていない人に借りられるケースが多い」(38歳男性)、「タスポを貸してくれといわれる。持っていない人が多いみたいです」(27歳男性)など、成人同士とはいえ、日本たばこ協会がタスポの規約で禁止している「貸与」の常態化を窺わせるものも。同協会は「未成年者の喫煙防止は社会全体で取り組むべき問題。大人がまずルールを守りしっかり規範を示してほしい」と呼びかけている。

日本たばこ協会によると、11月1日現在のタスポの発行枚数は847万枚で、喫煙人口2,600万人の32.5%程度。今回の調査結果について同協会は「タスポの導入からまだ期間が短いので、まだ何とも言えない段階。『自販機で未成年者が容易にたばこを買えないようにする』という趣旨を理解いただいた上で、(タスポを)もっとご利用いただけるよう啓発活動をしていきたい」とコメントした。