Booksベストセラー週間総合ランキング9月26日~10月2日では、『うちの3姉妹(8)』(松本ぷりっつ)と『理系の人々』(よしたに)の2タイトル新登場でトップテン入りした。どちらもブログ発の漫画集。

9月26日~10月2日のBooksベストセラー週間総合ランキング(日販調べ)

順位 書籍名(出版社) 著者
1位 O型自分の説明書(文芸社) Jamais Jamais
2位 A型 自分の説明書(文芸社) Jamais Jamais
3位 B型 自分の説明書(文芸社) Jamais Jamais
4位 うちの3姉妹(8)(主婦の友社) 松本ぷりっつ
5位 徳間アニメ絵本 崖の上のポニョ(徳間書店) 宮崎駿
6位 AB型 自分の説明書(文芸社) Jamais Jamais
7位 流星の絆(講談社) 東野圭吾
8位 悩む力(集英社) 姜 尚中
9位 夢をかなえるゾウ(飛鳥新社) 水野敬也
10位 理系の人々(中経出版) よしたに

『うちの3姉妹(8)』(松本ぷりっつ)は、人気育児ブログの書籍化第8弾。のびのびと育ちすぎている3姉妹の日常をかわいらしい絵とコメントでつづっている。思わず「くすっ」と笑ってしまうような小さな事件が毎日のように起こり、ついつい一気に読んでしまう。子育て中もしくは子育て経験がある人には共感部分満載の一冊。

『理系の人々』(よしたに)は、「ぼく、オタリーマン。」シリーズで知られる作者による4コマ漫画集。システムエンジニア兼イラストレーターである作者が、自分や自分の周りにいる"理系な人々"を題材に、一般社会の常識からかなりずれた"理系の常識"をお笑い要素満点に描き出す。

単行本フィクション部門では、日刊ゲンダイに連載されていた小説『黒の狩人』(大沢在昌)が新登場で2位にランク入りしている。中国人ばかりを狙った連続殺人事件の謎に公安が迫ろうとするが、そこには中国政府の工作活動が隠されていた―という緊張感あふれるストーリー。

今週の注目

犯罪小説家 (双葉社/雫井脩介/税別1,500円)

本作の主人公はデビュー3年目の小説家。彼の5作目は昭和のレトロチックな家族を題材にした愛憎劇。この作品が文学賞を受賞し、映画化の話が舞い込んできたところから話は始まる。

映像化に当たって数々の打診があった中、編集者はひとりの人気脚本家のオファーに強い関心を示す。彼はホラー映画の脚本で当たりを取り、役者としても独特の存在感を示しているという「ホラー界の奇才」とも称される人物だ。だが、彼と映画化に当たっての打ち合わせを重ねるうち、主人公は次第に居心地の悪さと不気味さを感じるようになる。「映像と原作は別物」と割り切ってはいても、彼の唱える独自の解釈は終始一貫して自らの意図とは違う「自殺」にこだわっているのだ。

脚本家はついには自分の立場を越え、「この小説にはこの結末しかあり得ない」とまで主張する。小説家はいつしかそのペースに引きずり込まれ、実際に起こった自殺サイトでの事件に首を突っ込むことになる―。

読み進めているうちに小説としての終着点がどこにあるのかわからなくなってくるが、小説家が感じた居心地の悪さは意外な形でその理由が明かされることになる。