錦織圭選手

テニスの錦織圭(ソニー)は25日、アディダスジャパン主催のイベント「adidas 錦織圭 ジュニアテニスクリニック」に参加。将来のテニス界を担うテニス少年少女たちとのラリーを楽しみつつも、29日からのAIGジャパン・オープンを前にした錦織圭が試合への想いを語った。

錦織は少々時差ボケか、全米の疲れがまだ残っているのか、たまにあくびが出てしまうものの、子どもたちとのラリーでは「本気出していいですか?」と、勝負に年の差は関係ないという顔で、フォア、バックともに本気ショットで周囲を沸かせた。

ネット際に立つ錦織の左右を、鋭いボールがすり抜けると、さすがの世界ランキング85位も、小さな相手に拍手。5分ほどのラリーで光るほどの汗が出てきたあと、子供たちのショットに「もうちょっと軸足を使ってジャンプして」「もうちょっと打点を高く前で」と一人ひとりアドバイスした。

錦織は"必殺ショット"であるエア・ケイ・ショットも披露。ライジングボールを高い打点と素早いテイクバックで振り抜く彼だけのショットを間近に見て、子ども達は歓声をあげた

「速いサーブを打つためには?」というジュニアからの質問には、「サーブは僕も苦手。練習を積み重ねるしかない。打ち込むしかない」と力説。そしてプロテニスプレーヤーを夢見るジュニアたちにこうアドバイスした。「やっぱり『テニスが好き』っていうことが一番大事。テニスをもっともっと楽しんでやってほしい。楽しくプレーできることがスタートだと思う。強くなるほどテニスが好きになると思う。諦めないで!」と応援した。

クリニックとはいえ、表情は真剣そのものの錦織圭

最後に、将来、このジュニアたちから強豪選手が生まれたら?という質問には、「日本人の強い選手が出てきてほしい。ライバルとしてぜひ戦っていきたい」と述べ、日本のテニス界の盛り上がりを期待した。またAIGジャパン・オープンに関しては「デルポトロ(アルゼンチン)にも負けてるのでリベンジしたいし、もちろん優勝はしたいけど、去年は1回戦で負けてますから、まずは初戦をしっかり勝っていきたい」と大胆ショットを放つ"エア・ケイ"ながらも慎重な姿勢がうかがえた。


「日本の試合については特別な思いがある」。全米オープンでベスト16入りを果たし、帰国したのは前日の24日。プロに転向して最初の試合が昨年のAIGだった。結果はシングルス・ダブルスともに1回戦負け。今度は、その悔しさと全米後の今の調子の良さをバネに、満席の東京・有明テニスの森公園で快勝してくれるはずだ。