アメザリの複雑な心境とは?
トーナメント1回戦では、予選をトップで通過したぶっちぎりの優勝候補・トータルテンボスと、関西の若いお笑いファンに圧倒的人気を誇るスマイルが激突。トータルテンボスは客層を意識してか、思春期の初々しいデートをシミュレーションするネタで勝負を。対するスマイルは、ウーイェイよしたかの天衣無縫なボケに拍手が起こるほど会場を盛り上げたが、得点ではトータルテンボスに及ばず、541点対459点で惜敗した。アメリカザリガニの対戦相手は、松竹芸能の後輩コンビ・のろし。吉本勢ばかりの決勝メンバーの中で、2組だけ残った松竹勢同士が1回戦から潰し合うことに。結果はアメリカザリガニの勝利となったが、柳原は「勝たなアカンねんけど、勝ちたくなかった。でも先輩として叩き潰しに行きました」と心境は複雑だったようだ。
さらに1回戦では、結成2年目のモンスターエンジンと15年目の$10がキャリアの差を超えて戦い、今や全国に名を知らしめている注目の若手、ジャルジャルと藤崎マーケットが火花を散らしたほか、個性派漫才で存在感を放つストリークととろサーモンの対決や、漫才新人賞レースの常連コンビ、鎌鼬とギャロップの一騎打ちと、手に汗握るハイレベルなお笑いバトルが展開された。
熾烈な1回戦を勝ち抜いたコンビが臨む2回戦のカードは、$10vs.藤崎マーケット、とろサーモンvs鎌鼬、トータルテンボスvsアメリカザリガニの3対決。中でも注目されたトータルテンボスとアメリカザリガニの激突は、決勝大会のその後の流れを変える一戦となった。トータルテンボスは昨年の『M-1』準優勝コンビ、アメリカザリガニも『M-1』に3年連続出場する輝かしい戦歴を残しているだけに、両者の実力は折り紙つき。ただ今大会では、予選での高得点でトータルテンボスが大きくリードしているだけに、平井は「負ける! って思ってました。だって、あの子らおもしろいし……」、柳原は「トータルテンボスに勝てないと、今回は優勝はできないと思ってました。やり切るしかない! と」と、その存在をかなり意識していたよう。そんな緊張感みなぎる戦いでは、トータルテンボスが"いろんな職業でスピードアップを図る"というネタでシャーなボケをたたみ掛け、アメリカザリガニは柳原のアクションに平井が奇妙なナレーションをつけるという漫才を披露。どちらのネタも大ウケしていたが、結果は406点対596点でアメリカザリガニの勝利に。"優勝候補"のまさかの敗退に客席からどよめきが起こった。……続きを読む