東京・港区のStudio Cube 326にて8月23日、「THE WORKS~志倉千代丸楽曲集~」の発売記念イベントが行われた。「THE WORKS~志倉千代丸楽曲集~」は、アニメやゲーム音楽などを数多く手がける志倉千代丸の代表楽曲を収録したアルバム。7月30日に「THE WORKS~志倉千代丸楽曲集~1.2」「同2.0」「同3.0」の3枚が同時リリースされ、収録曲は合計45曲に及ぶ。

7月30日にリリースされた「THE WORKS~志倉千代丸楽曲集~」

今回のイベントには、この3枚のアルバムに収録された楽曲のアーティストたちがゲストボーカルとして集結するということもあり、イベント当日はあいにくの雨模様となったが、開場前から多数のファンが集まった。

数多くのアニメやゲーム音楽を手がける志倉千代丸が今回の主役

第1部「JUVENILE WORKS SIDE」からボルテージは最高潮

イベントは「JUVENILE WORKS SIDE」と「ELEMENTS WORKS SIDE」の2部構成で、第1部の「JUVENILE WORKS SIDE」は、曲にこめられたメロディラインやメッセージをじっくり聴くことがテーマとなっていた。しかし、トップバッターとしていとうかなこが登場し、PCゲーム『CHAOS;HEAD』の主題歌「Find the blue」を歌いだすと、会場は一気にヒートアップ。さらに、ギターを持った志倉千代丸がステージに登場するにいたり、場内のボルテージはいきなり最高潮に達する勢いとなった。

今回のイベントでトップバッターを務めたのがいとうかなこ。さらに志倉千代丸も、いきなりギターを片手にステージに登場

今回のステージは、楽曲と楽曲の合間に、アーティストと志倉、さらに司会を務めた5pb.の高橋氏の3人によるトークが繰り広げられた。ラジオ番組などで披露する軽妙なトークでも定評がある志倉だけに、このトークコーナーも大きな盛り上がりとなった。なお、いとうかなこは、志倉の曲の印象について、「とにかくハイテンション!」と語った。

いとうかなこが「Find the blue」とTVアニメ『Myself;Yourself』のEDテーマ「キミと夜空と坂道と」の2曲を歌った後、続いて登場したのが、「THE WORKS~志倉千代丸楽曲集~」にもっとも多くの曲が収録されている彩音。ライブでははじめて歌うというPS2『G線上の魔王』の主題歌「Close Your Eyes」を披露した。彩音の志倉に対する第一印象は「色が白いな」。ちなみにこの第一印象は、以降登場するアーティストすべてが口にしていた……。

3枚のアルバムに合計14曲が収録されている彩音。志倉曰く「4.0はわかんねーな……」

次の曲は、Kiccoの「瞬間スプライン」。PCゲーム『タユタマ』の主題歌となるこの曲は、「THE WORKS」には収録されていないが、作詞・作曲はもちろん志倉千代丸。アルバム3枚でも収録しきれない志倉ナンバーのボリュームを感じさせる。続く村田あゆみは、PS2『Memories Off ~それからagain~』から「僕のwish」。自身のニューアルバム「PolePole!」にかけて、「みなさ~ん、ポレポレ~♪」と観客にご挨拶。

観客の前で歌うのは3度目ということで、「かなり緊張してます」と語るKicco

続いてはAsrielのKOKOMIが登場。メジャーデビュー曲となったTVアニメ『モノクローム・ファクター』の主題歌「Metamorphose」を歌い上げた。ちなみにこの曲は、「THE WORKS」に収録されていないばかりか、志倉千代丸の曲でもない。今回はスペシャルゲストという位置づけだが、このあたりについて志倉は、「Asrielは最初に聴いたときから出来上がっていた。そこに手を出すのは"神の領域"に手を出すようなもの」と語った。

幻想的でありながら激しさを感じさせる不思議な感覚でライブを盛り上げるAsrielのKOKOMI

今回のゲストアーティストでは唯一の男性となった藤重政孝は、アコースティックギターを片手にステージに登場。弾き語りにて、PS2『ユア・メモリーズオフ~Girl's Style~』から「Shine~降りそそぐ風のように~」を聴かせてくれた。「色黒」「秋葉原には絶対にいないタイプ」などと志倉が藤重を激しく攻め立てると、「今日は完全アウェイだと思って来たんですが、会場ではなくステージの上がアウェイだった」。しかし、執拗に攻める志倉に対して、「本当は俺のこと好きでしょ?」と反撃する場面も。

このステージ上が、藤重曰く「アウェイ」

ギター1本でしっとりと歌い上げる藤重政孝

そして、第1部「JUVENILE WORKS SIDE」の締めくくりとして登場したのが榊原ゆい。TVアニメ『プリズム・アーク』の主題歌「そして僕は…」とTVアニメ『はぴねす』のEDテーマ「マジカル★ジェネレーション」の2曲を、抜群のステージパフォーマンスで熱唱。観客と一体になった情熱的なステージを見せてくれた。「マジカル★ジェネレーション」は、榊原と志倉の出会いの曲ということもあり、互いに懐かしさを感じていたようだ。どちらかというと六本木系の榊原を、最初のころ志倉は「苦手なタイプだな」と思っていたとか。榊原が志倉の曲について、「作詞に関しても、メロディに関しても、すごく頭がいいと思った」と語ると、志倉は少々ご満悦の様子。「これからは仕事以外の話もしよう」とか……。

秋に向けて、TVアニメ『カオス;ヘッド』関連で怒涛の展開があると語る榊原ゆい

はたして放送されるのか!? NACK5「THE WORKS」公開録音

第1部が終了し、休憩を挟んだ後に行われたのが、NACK5で放送されている「THE WORKS」の公開録音。「THE WORKS」は、志倉千代丸が桃井はることともにパーソナリティを務めるラジオ番組で、FM NACK5(79.5MHz)にて、毎週日曜日23:00~23:30に放送されている。ステージには、志倉と桃井の2人が登場。ライブの合間ということで、ステージ上も観客も高いテンションのまま、番組初の公開録音に突入した。今回は、番組のレギュラーコーナーで、いろいろな専門用語を紹介する「WORKS WORD」のコーナーが、事前に観客から集められたアンケートをもとに繰り広げられた。細かい内容については、実際の放送を楽しみにしてほしいところだが、現時点では放送日が未定。はたしていつ放送されるのか? 本当に放送されるのか? このあたり、楽しみに待ってほしい。

「THE WORKS」は、5pb.内の「THE WORKS」公式サイトでも聴取可能なので、まだ聴いたことのない人は一度チェックしてみたい

そして第2部「ELEMENTS WORKS SIDE」に突入!

第2部の「ELEMENTS WORKS SIDE」は、みんなで一体になってガンガン盛り上がっていくSIDE。まずは声優として大活躍の野川さくらが登場し、PS2『Memories Off #5とぎれたフィルム』からキャラクターソング「ココロ☆ラブリウェイ」、PC『蒼い空のネオスフィアどきどきアドベンチャー Effective E』から「Ancient View」といった2曲を披露し、激しい盛り上がりを予感させる第2部のトップバッターを飾った。

野川さくらと志倉の最初の出会いは某TVアニメのイベントで、千葉紗子に紹介されたとのこと

ステージには、第1部に引き続いて彩音が登場し、PS2『Memories Off #5とぎれたフィルム』の主題歌「ORANGE」と『ヴェロキア竜騎兵物語』の「Drive on dragoon」の2曲を熱唱。志倉の楽曲を数多く歌う彩音だけにレパートリーはまだまだ尽きない。次のいとうかなこも第1部に続いてのステージだが、今回は「THE WORKS」収録曲ではなく、秋から放送開始予定のTVアニメ『カオス;ヘッド』の主題歌「F.D.D」をいち早く披露してくれた。ちなみに、「F.D.D」は、決して「フロッピーディスクドライブ」の略ではないとのこと……。

2回目のステージとなった彩音。大盛り上がりの会場の様子がよくわかる

続く村田あゆみも本日2回目のステージ。久々のお披露目となったTVアニメ『はぴねす』の主題歌「はぴねす!」と、最新曲となるPS2『メモリーズオフ6 ~T-wave~』の主題歌「Triangle Wave」の2曲を歌い上げた。

村田あゆみは、秋から放送が始まるTVアニメ『まかでみ・WAっしょい!』でEDテーマを担当する

そして、イベント当日の8月23日が誕生日で、自身のバースデーイベント終了後にかけつけた宮崎羽衣がステージに登場。PS2『かのこん えすいー』の主題歌で、8月27日に発売された「Happy Succession」を堂々と歌い、会場を大いに盛り上げた。ちなみにこの曲の作詞・作曲は奥井雅美。ステージの後、何かを言いたそうにしながらも、「誕生日なので落とせない」とボヤく志倉が印象的だった!?

イベント当日が何と誕生日だった宮崎羽衣。というわけで、花束のプレゼント

ついに第2部「ELEMENTS WORKS SIDE」もラスト。最後のゲストとなったのは、先ほどラジオの公開録音で登場した、momo-iこと桃井はるこ。自分で曲を作ることの多い桃井だが、昨年はじめて志倉の楽曲を歌ってみて「すごくよかった」と語り、「千代丸さんは縁の下の力持ちじゃないですか」と持ち上げると、志倉は「そうなんですよ。だからあまり、『前に出すぎ』とかいわないでください」。ステージで桃井は、TVアニメ『プリズム・アーク』から「オペラファンタジア」、PS2『プリズム・アーク-AWAKE-』から「悠遠のアミュレット」を披露。最後の曲となる「悠遠のアミュレット」では、ふたたび志倉がギターを持ってステージに登場し、第2部はラストまでフルスロットルのまま幕を閉じた。

「悠遠のアミュレット」は、ライブなどで、自分と観客の心をひとつにしてくれる曲だと語る桃井はるこ

感動のフィナーレ!? アンコール前に事件が発生

桃井のステージ終了後、場内は「アンコール」の声で溢れかえり、その声にこたえてふたたび志倉がギターを持って登場。アンコールのステージを務めるアーティストとしていとうかなこを呼ぶと、なぜかいとうだけでなく、彩音、村田あゆみ、桃井はるこもステージに。思いがけない事態に追い討ちをかけるようにケーキが登場した。これは出演者たちの志倉への感謝の気持ちということだったのだが、志倉自身が「段取りにないことなので、正直驚いている」と語るように、秘密裏に準備された完全なサプライズ。桃井に「あ、ちょっと涙ぐんでいますね」と突っ込まれると、「泣いてません。泣きませんよ」と強がる志倉だが、うれしさのあまり、しばし呆然とした表情をみせた。志倉は、イベントを主催している5pb.の代表取締役を務めているだけに、自分に気付かれることなく準備を進めたスタッフにも驚いたようだった。

こちらがステージに登場したケーキ

そんなサプライズの後、志倉のギターをバックに、いとうかなこがDS『ひぐらしのなく頃に絆 第一巻・祟』の主題歌「追想のディスペア」を、さらに彩音がPS2『ひぐらしのなく頃に祭』から「コンプレックス・イマージュ」を熱く歌い上げ、4時間を超える長いステージは最後まで大きく盛り上がったままフィナーレとなった。なお、イベントの最後に、イベントで司会の高橋氏から、この秋に「Live 5pb.」を開催することが告知された。おそらく今回を上回る大規模なライブになることが期待されるだけに、今後の続報を待ちたいところである。

志倉とケーキを囲んで記念撮影

「THE WORKS~志倉千代丸楽曲集~」曲目リスト

第1部「JUVENILE WORKS SIDE
01 Find the blue いとうかなこ
02 キミと夜空と坂道と いとうかなこ
03 Close Your Eyes 彩音
04 瞬間スプライン Kicco
05 僕のwish 村田あゆみ
06 Metamorphose Asriel
07 Shine~降りそそぐ風のように~ 藤重政孝
08 そして僕は... 榊原ゆい
09 マジカル★ジェネレーション 榊原ゆい
NACK5「THE WORKS」公開録音
第2部「ELEMENTS WORKS SIDE」
01 ココロ☆ラブリウェイ 野川さくら
02 Ancient View 野川さくら
03 ORANGE 彩音
04 Drive on dragoon 彩音
05 F.D.D いとうかなこ
06 はぴねす! 村田あゆみ
07 Triangle Wave 村田あゆみ
08 Happy Succession 宮崎羽衣
09 オペラファンタジア momo-i
10 悠遠のアミュレット momo-i
アンコール
01 追想のディスペア いとうかなこ
02 コンプレックス・イマージュ 彩音