2000年より開催されているロッキング・オン主催のROCK IN JAPAN FESTIVAL 2008(以下RIJF)。9回目を迎えた今年は、8月1~3日の3日間にわたり、茨城・ひたちなかの国営ひたち海浜公園で開催。Perfume、スピッツ、木村カエラ、サンボマスターら豪華アーティストによる熱いアクトで約15万人のオーディエンスが熱狂した。

サンボ山口「まともじゃない大人が大好きなんですよ!」

午前11時。グラスステージのトップ・バッター、サンボマスターが登場。「オレはね、まともじゃない大人が大好きなんですよ!」「1発目のライブに来たヤツはやっぱり違うっていう、そういうライブをやりたいと思ってるんですよ!」。ボーカル・山口隆の語りかける言葉はいつも以上に熱がこもり、このステージにかける思いが伝わってくる。「光のロック」「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」「そのぬくもりに用がある」と、たたみかけるように披露される名曲の数々に、観客のボルテージも急上昇した。

サンボマスター

その後も木村カエラやYUIをはじめ、豪華なアーティストが続く。スピッツのステージでは、草野正宗が「LA・LA・LA LOVE SONG」(久保田利伸withナオミ・キャンベル)を歌い出すと同時に、会場から大きなどよめきが。間もなく日が沈む頃、グラスステージに登場したのはBUMP OF CHICKEN。彼らを一目見ようと、会場には多くのファンが押し寄せた。映画の主題歌にも使われた「花の名」では、空がオレンジ色に染まるなか、藤原基央の澄んだ歌声が響く。「天体観測」では、ステージから遠く離れたシートゾーンの観客たちも一斉に踊り出す。クールさのなかにも力強さを感じさせる彼らのステージは、夕暮れの時間帯を飾るにふさわしいものだった。

木村カエラ

スピッツ

ひたちなか激震! ロックファンをも虜にしたPerfume

Perfume

2日目はガールズロックからラウドロック、さらにはヒップホップと多彩な顔ぶれ。なかでも最大の注目を集めたのが、レイクステージのオープニングを飾ったPerfume。彼女たちを見ようと、朝からロックファンが大挙して押し寄せた。午前中にもかかわらず入場規制がかかり、ステージのはるか後方にある「翼のゲート」付近まであふれる人々。あらためて期待感の高さをうかがわせた。

「のっちです!」

「あーちゃんです!」

「かしゆかです!」

「3人合わせて、Perfumeですっ!!!」

その決め台詞とともに、会場から地響きのような大歓声がわき起こる。「love the world」「ポリリズム」など、テクノポップを基調とするサウンドと、3人の独特のダンスによって展開されるステージは、あらゆる面で異色の存在感を放っていた。

正午すぎのグラスステージにはチャットモンチーが登場。「チャットモンチーは、正々堂々と、ミュージシャンシップにのっとり、最後まで戦うことを誓います!」と、力強い宣誓も飛び出すなか、「風吹けば恋」「シャングリラ」など、ロックファンにはおなじみの曲で会場を沸かせた。続いて登場したSEAMOは、ライブではおなじみ"天狗スタイル"でオーディエンスの度肝を抜く。マキシマム ザ ホルモンは「アバラ・ボブ」を3度も繰り返すなど、まさにやりたい放題のステージ。彼らの鳴らす爆音に呼応するかのように、一斉に腕を振り上げ、ヘッドバンギングを始めるファンの姿は圧巻だった。RIP SLYMEのステージでも、マキシマム ザ ホルモンのメンバーが飛び入りし、観客を大いに沸かせた。

SEAMO

チャットモンチー

この日のグラスステージのトリは、今回がRIJ初出演となるBRAHMAN。自ら発した「好きにやれよ」の言葉を体現するかのように、あふれ出る感情そのままに歌うTOSHI-LOW。アンコールでスタンディングゾーンに飛び込み、観客に支えられながら歌う姿は、RIJ屈指の名シーンとして、多くの人の記憶に焼きつけられたに違いない。…続きを読む