イジメをテーマとした乙一の同名ホラー小説を映画化した『死にぞこないの青』のプレミア試写会が18日、都内にて開催され、谷村美月、城田優、入山法子らが出席した。

左から、城田、谷村、入山。「いちばん伝えたいのはアオの怖さではない。最後には、考えさせられる映画になっています」と話す谷村

映画前半部では、まばたきを一切せずに演技するなど、難役に挑んだ谷村

気の弱い小学6年生のマサオ(須賀健太)が、新任教師の羽田(城田)に嫌われクラスでイジメの対象に。そんな折、片目片耳が潰れた不気味な少女・アオ(谷村)が現れ、彼女の残虐性に取り込まれたマサオは羽田殺しを決意する――。『リング』、『呪怨』などの作品に携わってきた安達正軌監督がメガホンをとり、新感覚のホラームービーを展開させる。

白い拘束服を着た全身まっ青な少女・アオを演じた谷村は、「いつもは現場に入るまで何も考えずにいっちゃうほうなんですが、今回は撮影に入ってすごく大変な役だなと気付きました。1人だけ入り時間が早いし、(衣装のせいで)手が使えないし。はやく普通の生活に戻りたいと思っていました(笑)」と撮影の苦労話を告白。3時間を要したという特殊メイクについては「専用の椅子を用意してもらっていました。だんだん椅子が立派になっていって……(笑)」と撮影を振り返ったが、「暑い中、冷房なしで撮影したり、苦労をみんなで味わえて良かったです(笑)。やりがいがある作品で、出来上がりには満足しています」と自信を見せた。

須賀は「心の寂しさ、苦しさを表情で出すのが大変だった」とビデオレターで参加。すっかり声変わりした須賀に「たぶん、あれは恋してますよ」とツッコミを入れる城田

また、体罰教師・羽田役の城田は「子どもに暴力を振るうのは、僕の中ではありえないこと。撮影中は、子どもにすごい言葉を言ったり、蹴飛ばしたりしたので、気疲れしました。この映画の撮影中は、同時にドラマで高校生役を演じていたので、(教師と生徒という)頭の切り替えも大変でしたね」と語り、「生きている人間がいちばん怖いっていうことを痛感する映画だと思います」と映画の見どころをアピールしていた。

「まだまだ暑いのでホラーで涼しんで」と城田

「舞台挨拶は初めてなので緊張しています」と初々しく挨拶した入山

一方、城田の妹役を演じた入山は「初めての映画撮影で緊張したけど、優しいお兄ちゃん(城田)もいたし、楽しくてあっという間でした」とコメント。アドリブのシーンもあり、「(城田と)2人のシーンはほんわかしていますよ」とにこやかに話すと、城田も「この際、本当の兄妹になっちゃおうかというくらいですね(笑)」と応じていた。

右が、谷村が扮する"アオ"。実際に、アオが出てきたら「見ないフリをします。ムシしますね(笑)」(谷村)

城田も携帯電話につけて愛用しているという『死にぞこないの青』オリジナルポクポン(人形)。「モデルは美月なのでいじめないで(笑)」(城田)とのこと

「手を振ってください~」という要望にも笑顔で応じる3人

『死にぞこないの青』は、8月30日(土)よりシアターN渋谷ほか全国順次ロードショー