『がちんこ農業生活』表紙

もはや"絶滅危惧種"に指定されそうな20代の専業農家が食と農業についてリアルに描く書籍『がちんこ農業生活』がブルース・インターアクションズから8月2日に発売される。著者のそがしんいち氏はブログ「フリョウノウミン」でトマト農園の生産現場を生の声でつづっており、今回が初の書籍化となる。価格は1,600円(税別)。

著者は新潟の農家に長男として生まれるが、家業を継ぐのがいやでアメリカへ逃亡し、その後青年海外協力隊でアフリカ・セネガル・フランスなど各地を転々としたというユニークな経歴を持つ。本著は、結局家業を継ぎ農園の3代目としてトマト栽培に励んでいる著者が、農業と農家の生活の実態をとことんありのままに描くもの。「週末農園」や「ロハス」がもてはやされ、有機野菜に関心が高まりつつある中において、「農業で食べていくとは」という厳しい現実に迫る一冊になっているという。

「ギリギリ喰ってます!!」と"サバイバル生活"を自認する著者は、自身のブログで「ノウギョーって芸術っぽくね?」など時に農業の魅力を語る一方で、「農業は第一義として空腹を満たすための手段であることを忘れちゃいけない」と絶妙なバランス感覚を見せる。田舎暮らしや農業生活にあこがれる人、食糧問題や地産地消に関心を持つ人、食の安全性を考える人など、様々な立場の人に訴える一冊になりそうだ。