東京を舞台にしたオムニバス映画『TOKYO!』の完成記念報告会見が2日、都内で行われ、出演者の香川照之、蒼井優、藤谷文子、加瀬亮とポン・ジュノ監督が出席した。

写真左から、ポン・ジュノ監督、香川照之、蒼井優、藤谷文子、加瀬亮

ミシェル・ゴンドリー、レオス・カラックス、ポン・ジュノの3監督が東京を描く同作は今年のカンヌ国際映画祭"ある視点部門"に正式出品された話題作。ポン・ジュノ監督の『TOKYO!<シェイキング東京>』に出演した蒼井は「映画を作る熱を久しぶりに感じた現場で、夢のような時間でした」と撮影を振り返り、「監督が日本語のセリフを流ちょうに話されていてびっくりしました。柔軟性のある方だと思います。ただ、照明のセッティングに2時間待ったこともありましたけど(笑)」と撮影エピソードを明かすと、引きこもりの主人公を演じた共演の香川が「照明さんと監督、そして僕の3人はAB型なんですよ。この作品を一言で言えばAB型映画じゃないでしょうか(笑)」と笑わせた。

「11年ぶりに外に出るシーンでは、晴れになるまで4日間待ちました」と苦労を語る香川

ピザの配達員を演じる蒼井。「とても特殊な女性の役です。共感されないようなキャラクターを出せればと思い演じました」と

ポン・ジュノ監督は「『ゆれる』(2006年)を見て香川さんに惚れ込んだんです。今回は、構想段階で主人公は香川さんしかいないと思っていました」と絶賛すると、香川が「監督から『引きこもりを演じさせたら日本一』と言われたんですが、引きこもりだったら、加瀬がいるだろうと(笑)。でも彼は同じ作品に出演するので、オレがやるしかない」と本音を。これに対して加瀬は「作品を見ましたが、香川さんの引きこもりぶりは日本一でしたね(笑)」と返し、会場の笑いを誘った。

その加瀬は、出演する『TOKYO!<インテリア・デザイン>』のミシェル・ゴンドリー監督について「今日も(監督は)この場にいるはずだったんですけど、いませんし……(笑)。とにかく大変でしたね。本番直前にいきなり『ジェームス・ブラウンを歌って』と言われて、歌うと『やっぱりお金がかかるからやめようか』って言われたり(笑)。通訳さんがそれを僕に説明している最中にもう次の指示が飛んできたり(笑)」と、独特な演出法に驚きの連続だったようだ。

「なかなかカットがかからなかったりしてずっとカメラがまわっている印象でした。でも、余計な緊張感がそぎ落とされていくような気がして不思議な感じでした」(藤谷)

「衣装合わせの時も、監督がOKを出した衣装が、ことごとく監督の衣装にそっくりなんです(笑)」(加瀬)

『TOKYO!』は今夏にシネマライズ、シネ・リーブル池袋ほかでロードショー
(C)2008『TOKYO!』

『TOKYO!』作品概要

タイトル 監督 キャスト
『TOKYO!』 ミシェル・ゴンドリー 藤谷文子、加瀬亮、伊藤歩、大森南朋、妻夫木聡、でんでんほか
『TOKYO!』 レオス・カラックス ドゥニ・ラヴァンほか
『TOKYO!』 ポン・ジュノ 香川照之、蒼井優、竹中直人ほか