続いては同じく26日に封切られた『砂時計』。原作は「ベツコミ」(小学館)に連載されていた同名マンガで、佐藤めぐみ主演で昼ドラにもなった人気作品だ。

『砂時計』STORY

14歳の水瀬杏(夏帆)は、両親の離婚により、東京から母・美和子(戸田菜穂)の実家である島根県に移る。当初は田舎独特の雰囲気と祖母の美佐代(藤村志保)に馴染めないが、近所に住む同い年の大悟(池松壮亮)や藤(塚田健太)、椎香(岡本杏理)と出会い、徐々に自分の居場所を見つけていく。そんな中、人生に疲れ果てた母が杏を残して自殺。杏は直前に自分が言った「頑張ろうね」という言葉が母の負担になったのではと、悲しみと後悔に暮れる。そんな杏を大吾は「おれが、ずっと一緒におっちゃるけん」と力強く抱きしめるのだった。

あれから12年。26歳になった杏(松下奈緒)は婚約者の佐倉(高杉瑞穂)と東京で暮らしていた。そして、同窓会に出席するため、数年ぶりにあの懐かしい街を訪れる。初恋の人・大悟(井坂俊哉)が住む島根の街に……。

(C)芦名妃名子/映画「砂時計」製作委員会

初回上映後に行われた舞台挨拶には主要キャスト4人と監督が登場した。

左から池松壮亮、夏帆、松下奈緒、井坂俊哉、佐藤信介監督

大人の水瀬杏を演じる松下奈緒は「朝早くからお集まりいただいてありがとうございます」と観客にまず一礼し、「去年撮影して、温めて温めて今日やっと皆さんに見てもらえると思うと、言葉にうまく表現できないくらい嬉しいです」と顔をほころばせた。

夏帆は中高生時代の杏役。「初日って、嬉しいような、不安なような、すごくドキドキで複雑な気持ちなんですけど、たくさんの人に見ていただきたいです」と初々しく語った。

松下奈緒

夏帆

杏の初恋の人、北村大悟の大人時代を演じるのは井坂俊哉。この日がちょうど長野での聖火リレーに当たっていたこともあり、「今日はオリンピックではなくこちらを選んでいただいてありがとうございます(笑)」と場を和ませた。「原作に忠実に、あれだけの長い話を2時間にまとめたので、かなり濃厚な作品になっているかと思います」とのこと。

そして大悟の中高生時代は池松壮亮が。「この作品のテーマとして、過去を未来に変える勇気、というものがあるんですが、映画を観て砂時計をひっくり返す勇気を持ってもらえたらなと思います。ゴールデンウィークは、『砂時計』以外にもたくさんの映画が公開されますが、映画を見に行こうとしている人がいたら『砂時計、いいよ』って言ってあげてください」と大人顔負けのPRをした。

井坂俊哉

池松壮亮

作中で、絵馬に杏が願いを託すというシーンがあるが、これにちなんで、一つだけ絵馬に願いごとをするなら? という質問が投げかけられた。それぞれの回答を見ていこう。

松下「うーん。杏と同じですねー。素敵な出会いをしたい、って書くと思います」

夏帆「松下さんと同じなんですけど(笑)、あ、また島根に行きたいなーと。先日イベントで出雲大社に行ったんですけど、ゆっくりできなかったので、今度はいろいろ見て回りたいですね」

井坂「大悟のような純粋な恋愛をし……、大悟のような純粋な男になりたいですね!」

池松「ちょっと皆さんと違っちゃうんですけど、僕いま高3で受験生なんで、大学に合格できたらなあと」

佐藤「まだ映画作りのプレッシャーから抜け出てはいないんですけど、解放されたら、泳ぎながら作品の構想を練った浜に行ってもう1回泳ぎたいですね。見かけたら声をかけないでください(笑)」

舞台挨拶のラストには、ヒット祈願のビッグ絵馬を持ち、客席バックにフォトセッションが行われた。

Wキャストの純愛映画『砂時計』は全国東宝系でロードショー中。