Booksベストセラー週間総合ランキング2月15日~21日では、ベストテンのうち9タイトルまでが前週に引き続いてのランク入り。唯一動きがあったのは「脳を活かす勉強法」(茂木健一郎)の新登場での1位獲得だった。

2月15日~2月21日のBooksベストセラー週間総合ランキング(日販調べ)

順位 書籍名(出版社) 著者
1位 脳を活かす勉強法(PHP研究所) 茂木健一郎
2位 親の品格(PHP研究所) 坂東眞理子
3位 ヘキサゴンドリル(扶桑社)
4位 夢をかなえるゾウ(飛鳥新社) 水野敬也
5位 女性の品格(PHP研究所) 坂東眞理子
6位 陰日向に咲く(幻冬社) 劇団ひとり
7位 L change the WorLd(集英社) M
8位 ホームレス中学生(ワニブックス) 田村 裕
9位 家庭教師ヒットマンREBORN!隠し弾(1・2)(集英社) 天野 明 子安秀明
10位 余命1ケ月の花嫁(マガジンハウス) TBS「イブニング・ファイブ」

「脳を活かす勉強法」は、脳科学者として多数のメディアに露出する著者が「決して秀才ではなかった」という自らの少年時代を振り返りつつ「脳を活かした勉強法」を伝授するという触れ込み。専門的な学術書ではなく、誰でも短時間で読み切ることができる平易な内容であることが受けているようだ。ただし読者からは「タイトルに反して具体的な勉強法を教えてくれない」「単なる著者の体験談にとどまっている」との感想も聞かれる。

新書ノンフィクション部門には「「食い逃げされてもバイトは雇うな」なんて大間違い 禁じられた数字〈下〉」(山田真哉)が新登場3位でランクイン。本著はミリオンセラー「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」の著者が数字のカラクリについて解き明かす第3弾。公認会計士である著者は政府や大企業から個人にいたるまで誰もが"数字"に踊らされている社会にあって、数字にだまされずに一旦考えることを教えてくれる。「会計を身近に感じた」「読み物としても万人受けする」と好評だ。

今週の注目

ドアラのひみつ かくさしゃかいにまけないよ(ドアラ/PHP研究所/1,000円(税別)

中日ドラゴンズのマスコット「ドアラ」初の著作。ドアラは94年以来ドラゴンズのマスコットを務めているが、昨年動画投稿サイトに「不審な動き」がアップされたことでブレイク。Yahoo!で行われた球団マスコット人気ランキングで見事1位を獲得するなど、野球ファンやドラゴンズファン以外にもファン層が広がっている。

そんな人気者のドアラだが、生活は実は苦しいのだとか。年収は食パンで、特に冬の間は仕事がないためひもじい生活を強いられているという。本著は「それもこれもすべてはかくさしゃかいのせいだ」と思い込むドアラが自分の思いをつづったもの。「かくさしゃかい」の一番下のほうにいると自認するドアラは基本的には将来に対して楽観的。日本の行く末についても「国会にいるみんなが、さらに良い国にしてくれる」と予想するが、「あまりに頼りないと思ったら、出馬してやります」との意気込みも抱いている。

もともと捨てコアラだったとされるドアラは常に「また捨てられるのでは」との危機感を抱いており、そのために自己研鑽を怠らない。本著にはシーズン中やオフでのドアラの「ひみつ特訓」の模様も写真で収められており、「かくさしゃかい」で必死に自分の居場所を見付けそれを維持しようとする姿はすべての読者の心を打つだろう。